鑑賞行為に及ぼす主題表現法の効果に関する考察

本稿は第一に,生活感情及び世界観的な題材に動機づけられて制作した,「自分たちの作品」を本格的な鑑賞教育の対象とする。それは人間性探究の成果としてあってきた美術作品や文化財に伍するなど,鑑賞行為の普遍性に通じる局面を有する。高学年児童が自作品を鑑賞する際には一定の類型が認められるが,その芸術学的な妥当性がアメリカの美的感性発達理論を拠り所にして論究される。さらにそれを基に芸術学的に吟味することによって,観点としての質問項目が考案・設定される。第二に,質問紙法による自作品の鑑賞体験が広く美術作品の鑑賞及び評価能力の育成にとって有効である,との方法論的仮説が実践を積み重ねることによって検証された。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in美術教育学:美術科教育学会誌 Vol. 29; pp. 351 - 363
Main Author 立原, 慶一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 美術科教育学会 2008
Online AccessGet full text
ISSN0917-771X
2424-2497
DOI10.24455/aaej.29.0_351

Cover

More Information
Summary:本稿は第一に,生活感情及び世界観的な題材に動機づけられて制作した,「自分たちの作品」を本格的な鑑賞教育の対象とする。それは人間性探究の成果としてあってきた美術作品や文化財に伍するなど,鑑賞行為の普遍性に通じる局面を有する。高学年児童が自作品を鑑賞する際には一定の類型が認められるが,その芸術学的な妥当性がアメリカの美的感性発達理論を拠り所にして論究される。さらにそれを基に芸術学的に吟味することによって,観点としての質問項目が考案・設定される。第二に,質問紙法による自作品の鑑賞体験が広く美術作品の鑑賞及び評価能力の育成にとって有効である,との方法論的仮説が実践を積み重ねることによって検証された。
ISSN:0917-771X
2424-2497
DOI:10.24455/aaej.29.0_351