わが国の生活習慣病患者意識調査における生活習慣病治療の現状と課題

心血管疾患の予防に向けた生活習慣病のより適切な治療を実現するには, 医師と患者がよく意思を通わせ, 共通の認識をもって治療に臨むことが必要である. そこで, 医療従事者によるさまざまな患者啓発の取り組みが患者にどの程度浸透し, 患者が医療従事者に対し, どのような要望を持っているかを調べるため, 全国の医療機関を通じてアンケート調査を実施した. 3,578例の回答を集計した結果, 生活習慣病患者の多くは自分自身の検査値を認知していたが, 自分自身の治療目標値を知らない患者が2~4割いることが明らかになった. また, 生活習慣改善の重要性を理解している一方で, その実現の難しさを自覚していた....

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Published in心臓 Vol. 43; no. 10; pp. 1310 - 1318
Main Authors 藤田, 正俊, 篠山, 重威
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2011
日本心臓財団
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.43.1310

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Summary:心血管疾患の予防に向けた生活習慣病のより適切な治療を実現するには, 医師と患者がよく意思を通わせ, 共通の認識をもって治療に臨むことが必要である. そこで, 医療従事者によるさまざまな患者啓発の取り組みが患者にどの程度浸透し, 患者が医療従事者に対し, どのような要望を持っているかを調べるため, 全国の医療機関を通じてアンケート調査を実施した. 3,578例の回答を集計した結果, 生活習慣病患者の多くは自分自身の検査値を認知していたが, 自分自身の治療目標値を知らない患者が2~4割いることが明らかになった. また, 生活習慣改善の重要性を理解している一方で, その実現の難しさを自覚していた. 現在の治療に満足している患者は6割未満で, 患者は一般的な服薬指導や疾患の説明より, 自分に特化された個別の説明を望んでいた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.43.1310