奄美大島のマングース駆除事業 : とくに生息数の推定と駆除の効果について

鹿児島県奄美大島で在来種保護を目的に環境省が進めている移入マングース(Herpestes javanicus)の駆除事業について,これまでの経過を紹介した.1996年度から1999年度まで,分布,生息密度,個体数などを明らかにするための調査がおこなわれた.マングースの個体数は1999年時点で5千から1万頭,年増加率は40%と推定され,根絶を目標とした駆除計画が検討された.この計画に基づいて.2000年度から報奨金制度を中心にした駆除が実施されている.これまでの作業により.2002年度までの3年間に9,469頭のマングースが捕獲され,その結果,個体数と生息密度は以前の数分の1に減少したと推測され...

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Published in保全生態学研究 Vol. 8; no. 1; pp. 73 - 82
Main Author 石井, 信夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本生態学会 2003
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ISSN1342-4327
2424-1431
DOI10.18960/hozen.8.1_73

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Summary:鹿児島県奄美大島で在来種保護を目的に環境省が進めている移入マングース(Herpestes javanicus)の駆除事業について,これまでの経過を紹介した.1996年度から1999年度まで,分布,生息密度,個体数などを明らかにするための調査がおこなわれた.マングースの個体数は1999年時点で5千から1万頭,年増加率は40%と推定され,根絶を目標とした駆除計画が検討された.この計画に基づいて.2000年度から報奨金制度を中心にした駆除が実施されている.これまでの作業により.2002年度までの3年間に9,469頭のマングースが捕獲され,その結果,個体数と生息密度は以前の数分の1に減少したと推測される.しかし,捕獲効率の低下に伴って捕獲努力量が減少し,個体数の低減化は足踏み状態である一方,分布拡大傾向が続いている.今後,捕獲努力量の増大と計画的配分をどのように実現するかが課題である.
ISSN:1342-4327
2424-1431
DOI:10.18960/hozen.8.1_73