粉末消火器を用いた消火実験に基づく初期消火に関する防災教育に関する検討
大学等の教育研究機関では人的火災要因があらゆる部署に散在し得るため、効果的な初期消火を実践するための安全教育を実施することが必要である。そこで、火災専門家らにより基礎実験および現象解析を通じて初期火災対策に訴える適切な標語の提案を試みた。対象とした火災源は、消火器の検定細則にて定義されるB火災(油火災)の模型番号4型(B−4火災模型)である。10名の大学教員・研究所(国および企業)職員・防災メーカ社員が粉末消火器による消火活動を行い、その消火活動の様子を映像として記録した。消火成功・失敗例の映像を注意深く比較検討した結果、消火成功に必須と考えられる主要素として、消火は手前から奥に順番に行う、ホ...
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Published in | 環境と安全 Vol. 8; no. 3; pp. 101 - 111 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
大学等環境安全協議会
2017
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1884-4375 2186-3725 |
DOI | 10.11162/daikankyo.17G0802 |
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Summary: | 大学等の教育研究機関では人的火災要因があらゆる部署に散在し得るため、効果的な初期消火を実践するための安全教育を実施することが必要である。そこで、火災専門家らにより基礎実験および現象解析を通じて初期火災対策に訴える適切な標語の提案を試みた。対象とした火災源は、消火器の検定細則にて定義されるB火災(油火災)の模型番号4型(B−4火災模型)である。10名の大学教員・研究所(国および企業)職員・防災メーカ社員が粉末消火器による消火活動を行い、その消火活動の様子を映像として記録した。消火成功・失敗例の映像を注意深く比較検討した結果、消火成功に必須と考えられる主要素として、消火は手前から奥に順番に行う、ホースは利き手で持つ、ホースを6〜7 Hzで小刻みに振る、の3要素が重要であることを見出した。この妥当性・有効性を検証する目的で二回目の消火試験を試みた結果、消火成功確率が飛躍的に向上したことを確認した。この消火教育へ効果的な標語は、各所に提案する活動へとつながっている。 |
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ISSN: | 1884-4375 2186-3725 |
DOI: | 10.11162/daikankyo.17G0802 |