慢性咳嗽への小児科的アプローチ

小児の咳嗽は急性のものがほとんどで,4 週以内に改善するものが多い。したがって,小児において慢性咳嗽とは 4 週以上続く咳とする場合が多い。難治症状としての慢性咳嗽への診断的アプローチとしては,大きく分けて 2 つある。患児の年齢からのアプローチと問診からのアプローチである。すなわち,小児では①新生児・乳児期,②幼児期,③学童・思春期と年齢により考慮すべき疾患が異なる点に注意を払う必要がある。また,問診が最重要であることは論を俟たない。病歴を詳細に聴取することで疾患の大体の見当がつくといっても過言ではない。そこに,詳細な理学所見を加え,さらに血液検査,レントゲン検査,酸素飽和度などの補助診断を...

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Published in小児耳鼻咽喉科 Vol. 33; no. 3; pp. 230 - 236
Main Author 久保, 俊英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児耳鼻咽喉科学会 2012
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ISSN0919-5858
2186-5957
DOI10.11374/shonijibi.33.230

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Summary:小児の咳嗽は急性のものがほとんどで,4 週以内に改善するものが多い。したがって,小児において慢性咳嗽とは 4 週以上続く咳とする場合が多い。難治症状としての慢性咳嗽への診断的アプローチとしては,大きく分けて 2 つある。患児の年齢からのアプローチと問診からのアプローチである。すなわち,小児では①新生児・乳児期,②幼児期,③学童・思春期と年齢により考慮すべき疾患が異なる点に注意を払う必要がある。また,問診が最重要であることは論を俟たない。病歴を詳細に聴取することで疾患の大体の見当がつくといっても過言ではない。そこに,詳細な理学所見を加え,さらに血液検査,レントゲン検査,酸素飽和度などの補助診断を組み合わせることによって最終診断に迫る。場合によっては診断的治療を行って診断に至ることもある。また,咳の治療においては,病態と薬の薬理作用をよく理解した上での効率的な処方が重要である。
ISSN:0919-5858
2186-5957
DOI:10.11374/shonijibi.33.230