平均情報量を用いた「なめらかさ」の評価について 測定方法の信頼性および若年者と高齢者の比較

なめらかな運動とは, 巧緻性, 協調性を伴う運動であり, 何気なく手を伸ばす運動においても, 運動を計画し, 加速と減速が極めてなめらかな軌道を描くと言われている. 理学療法において, なめらかな運動の獲得を目的とするものも多く, 「なめらかさ」の定量的評価は期待される課題のひとつである. 我々はこれまでに, 平均情報量を用いた「なめらかさ」の測定方法を提案し, 再現性, 妥当性について報告してきた1). 本研究では, この新しい測定方法を用いて, 臨床場面でも使用できる「なめらかさ」の評価方法を確立するために, リーチ運動の「なめらかさ」を測定し, 信頼性の検討を行った後, 若年者と高齢者で...

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Published in理学療法学 Vol. 33; no. 1; p. 47
Main Authors 小島, 基永, 柴, 喜崇, 佐藤, 春彦, 大渕, 修一, 池田, 憲昭, 水野, 公輔, 二見, 俊郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.02.2006
日本理学療法士協会
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00004224916

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Summary:なめらかな運動とは, 巧緻性, 協調性を伴う運動であり, 何気なく手を伸ばす運動においても, 運動を計画し, 加速と減速が極めてなめらかな軌道を描くと言われている. 理学療法において, なめらかな運動の獲得を目的とするものも多く, 「なめらかさ」の定量的評価は期待される課題のひとつである. 我々はこれまでに, 平均情報量を用いた「なめらかさ」の測定方法を提案し, 再現性, 妥当性について報告してきた1). 本研究では, この新しい測定方法を用いて, 臨床場面でも使用できる「なめらかさ」の評価方法を確立するために, リーチ運動の「なめらかさ」を測定し, 信頼性の検討を行った後, 若年者と高齢者での差について比較した. 対象 健常若年者10名(男性5名, 女性5名, 平均年齢22.8±1.4歳)と, 健常高齢者17名(男性9名, 女性8名, 平均年齢71.9±4.3歳)を対象とした. なお被験者には, 測定前に本研究の内容を説明し, 自署にて同意を得たうえで測定を行った. 方法 課題はリズムに合わせて目線の高さにある印と鼻先とを交互に差す, 反復リーチ運動とした.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00004224916