沖合養殖の環境影響の数値シミュレーション

日本の開放的な海域で行われている養殖事業の環境影響評価を行うために,養殖場の水質,底質を観測し,養殖モデルを組みこんだ流れ場・生態系結合数値モデルを用いて数値シミュレーションを行った.シミュレーション結果では,養殖場近傍で養殖魚の排泄物に起因する全窒素濃度の微小な変化が見られたが,観測結果では変化が認められず,水質に及ぼす影響は軽微であることが示された.底質の指標である硫化物濃度は養殖場で上昇したが,水産用水基準を大きく下回っており,底質に及ぼす影響は限定的であることが示された....

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Published in生産研究 Vol. 75; no. 1; pp. 41 - 44
Main Authors 董, 書闖, 朴, 相圭, 周, 金鑫, 吉田, 毅郎, 張, 俊波, 李, 僑, 北澤, 大輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 東京大学生産技術研究所 01.02.2023
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Summary:日本の開放的な海域で行われている養殖事業の環境影響評価を行うために,養殖場の水質,底質を観測し,養殖モデルを組みこんだ流れ場・生態系結合数値モデルを用いて数値シミュレーションを行った.シミュレーション結果では,養殖場近傍で養殖魚の排泄物に起因する全窒素濃度の微小な変化が見られたが,観測結果では変化が認められず,水質に及ぼす影響は軽微であることが示された.底質の指標である硫化物濃度は養殖場で上昇したが,水産用水基準を大きく下回っており,底質に及ぼす影響は限定的であることが示された.
ISSN:0037-105X
1881-2058
DOI:10.11188/seisankenkyu.75.41