SLE病態におけるTNFRSF1A遺伝子変異(T61I)の関与
TRAPS(TNF - receptor associated periodic syndrome)はTNF レセプター_I_の遺伝子変異により周期熱をきたす遺伝性疾患であるが、長崎大学井田らは、周期的発熱をきたすSLEでTNFRSF1A遺伝子に変異(T61I)を認めた症例を報告した。同時に、健常人300人とSLE患者75人においてT61I変異をスクリーニングした結果健常人9人(3.0%)、SLE患者5人(6.7%)に変異を認めたが有意差は見られなかった。今回我々は、健常人941人とSLE患者221人のT61I変異(269C→T変異)をTaqMan法によってスクリーニングを行い健常人20例(2...
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Published in | Nihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 37; p. 113 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床免疫学会
2009
The Japan Society for Clinical Immunology |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-3296 |
DOI | 10.14906/jscisho.37.0.113.0 |
Cover
Summary: | TRAPS(TNF - receptor associated periodic syndrome)はTNF レセプター_I_の遺伝子変異により周期熱をきたす遺伝性疾患であるが、長崎大学井田らは、周期的発熱をきたすSLEでTNFRSF1A遺伝子に変異(T61I)を認めた症例を報告した。同時に、健常人300人とSLE患者75人においてT61I変異をスクリーニングした結果健常人9人(3.0%)、SLE患者5人(6.7%)に変異を認めたが有意差は見られなかった。今回我々は、健常人941人とSLE患者221人のT61I変異(269C→T変異)をTaqMan法によってスクリーニングを行い健常人20例(2.2%)、SLE 9 例(4.1%)に変異を認めた。我々の結果単独では変異の頻度に有意差を認めなかったが(p=0.095)、長崎大学の報告と我々の結果をメタ解析するとp=0.025と有意にSLE患者にT61I変異の頻度が高い結果となった。T61I変異をもつSLE9例の臨床症状を詳細に検討したところ、菌血症の既往を有する症例が3例、血球貪食症候群を呈した症例が1例みられ、T61Iは過度の炎症を引き起こす可能性が示唆された。以上よりTNFRSF1A T61I変異はSLEの発症及び病態形成に関与している可能性が示された。 |
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Bibliography: | 1-44 |
ISSN: | 1880-3296 |
DOI: | 10.14906/jscisho.37.0.113.0 |