3Dカメラを用いた上下顎移動術に伴う鼻口唇形態変化の検討

上下顎骨の著しい不調和を生じる骨格性不正咬合に対し,顎矯正手術を伴う外科的矯正治療が適応となる.この顎矯正手術では咬合の機能的改善のみならず,顔貌の形態不調和の改善も重要である.本研究では,非被曝かつ短時間で三次元撮影が可能であるハンディタイプ3Dカメラを用いて上下顎移動術前後の鼻口唇形態の変化について検討することを目的とした.対象は骨格性下顎前突の診断のもと顎矯正手術を行った女性患者10名とし,3Dカメラを用いて手術前後の顔面軟組織形態を測定し,その変化について統計的な処理を行った.その結果,鼻翼幅の増加,鼻孔の長径の減少およびNasolabial angleの増加などを有意に認め,顎骨の移...

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Published in昭和学士会雑誌 Vol. 81; no. 5; pp. 436 - 443
Main Authors 宮澤, 平, 吉田, 寛, 芳賀, 秀郷, 北, はるな, 丹澤, 史, 山口, 徹太郎, 相原, のぞみ, 槇, 宏太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 2021
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ISSN2187-719X
2188-529X
DOI10.14930/jshowaunivsoc.81.436

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Summary:上下顎骨の著しい不調和を生じる骨格性不正咬合に対し,顎矯正手術を伴う外科的矯正治療が適応となる.この顎矯正手術では咬合の機能的改善のみならず,顔貌の形態不調和の改善も重要である.本研究では,非被曝かつ短時間で三次元撮影が可能であるハンディタイプ3Dカメラを用いて上下顎移動術前後の鼻口唇形態の変化について検討することを目的とした.対象は骨格性下顎前突の診断のもと顎矯正手術を行った女性患者10名とし,3Dカメラを用いて手術前後の顔面軟組織形態を測定し,その変化について統計的な処理を行った.その結果,鼻翼幅の増加,鼻孔の長径の減少およびNasolabial angleの増加などを有意に認め,顎骨の移動に伴い外鼻形態の変化が生じることが明らかとなった.今後,コーンビームCT(以下,CBCT)を用いた術前のシミュレーションと合わせて3Dカメラによる軟組織の分析評価を併用することで,患者の主訴の改善および,より精度の高い外科的矯正治療が可能となることが期待される.
ISSN:2187-719X
2188-529X
DOI:10.14930/jshowaunivsoc.81.436