ハイパースペクトルイメージを使用した前立腺の腺癌と神経内分泌腫瘍の新たな識別方法の検討
前立腺neuroendocrine carcinoma:NECは稀であるが,通常の前立腺adenocarcinoma:ACとは,治療法や予後が異なるため適確な診断が必要となる.今回我々は,前立腺生検標本から,ハイパースペクトルカメラ(HSC)で撮影した癌細胞核内の141次元的なハイパースペクトルイメージ(HSI)と,ランダムフォレストを用いた解析からNECとACの識別について検討した.当院での前立腺生検1,239例のうち,免疫染色で神経内分泌分化を検索した15例を対象とした.これらをNEC 5例(A群),AC, neuroendocrine differentiation:NE(+),...
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Published in | 昭和学士会雑誌 Vol. 84; no. 4; pp. 296 - 304 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
昭和大学学士会
2024
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Subjects | |
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ISSN | 2187-719X 2188-529X |
DOI | 10.14930/jshowaunivsoc.84.296 |
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Summary: | 前立腺neuroendocrine carcinoma:NECは稀であるが,通常の前立腺adenocarcinoma:ACとは,治療法や予後が異なるため適確な診断が必要となる.今回我々は,前立腺生検標本から,ハイパースペクトルカメラ(HSC)で撮影した癌細胞核内の141次元的なハイパースペクトルイメージ(HSI)と,ランダムフォレストを用いた解析からNECとACの識別について検討した.当院での前立腺生検1,239例のうち,免疫染色で神経内分泌分化を検索した15例を対象とした.これらをNEC 5例(A群),AC, neuroendocrine differentiation:NE(+), Gleason score:GS 8〜10(GS8-10(NE+)) 4例(B群),AC, NE(-), GS 8〜10, (GS8-10(NE-))を6例(C群)に分類した.また無作為に抽出したGleason score 6:GS6を8例(D群)として加えた.HSCで撮影した癌細胞組織から1症例あたり細胞核30個を選択し,細胞核毎の平均スペクトルデータを抽出しトレーニングデータとテストデータ(7:3)に分割した.トレーニングデータをランダムフォレストで学習した後,4群間(A群,B群,C群およびD群)におけるテストデータに対する正解率を算出した.テストデータに対する正解率は,4群間(A vs. B vs. C vs. D)で84%,AB vs. C vs. D, A vs. BC vs. Dでは,それぞれ89%,80%,B群のスペクトルデータはA群に近い傾向を認めた.HSIと人工知能を用いた解析は,前立腺におけるNECとACの識別に有用な可能性が示唆された. |
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ISSN: | 2187-719X 2188-529X |
DOI: | 10.14930/jshowaunivsoc.84.296 |