バスキュラーアクセスカテーテル(GentleCath:ジェントルキャスダブルルーメン・トリプルルーメン)の有用性について

【背景】バスキュラーアクセスカテーテルは、透析導入時・アクセス不全によるシャント造設までの、一時的に使用されており、脱血不良等のトラブルもしばしば発生し得る。 GentleCath:ジェントルキャスカテーテルは、軟質化されたカテーテルが血流にそよぎ、又180°位相した大孔径の脱血孔により、血管壁へのへばりつきや血栓形成を防止することで、これらのトラブルを減少させた上記カテーテルを当院にて開発するに至った。 【目的】JMS社製クリットラインモニター(以下CLM)を用いて、バスキュラーアクセスカテーテルの再循環率を測定し、GentleCath :ジェントルキャスダブルルーメンカテーテル(以下Gen...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 56; p. 297
Main Authors 高野, 靖悟, 新美, 文子, 磯貝, 修, 吉田, 昌浩, 今橋, 美香, 柴原, 宏, 及川, 治, 折田, 祥悟, 小俣, 利幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2007
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.56.0.297.0

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Summary:【背景】バスキュラーアクセスカテーテルは、透析導入時・アクセス不全によるシャント造設までの、一時的に使用されており、脱血不良等のトラブルもしばしば発生し得る。 GentleCath:ジェントルキャスカテーテルは、軟質化されたカテーテルが血流にそよぎ、又180°位相した大孔径の脱血孔により、血管壁へのへばりつきや血栓形成を防止することで、これらのトラブルを減少させた上記カテーテルを当院にて開発するに至った。 【目的】JMS社製クリットラインモニター(以下CLM)を用いて、バスキュラーアクセスカテーテルの再循環率を測定し、GentleCath :ジェントルキャスダブルルーメンカテーテル(以下Gentle-D) GentleCath Triple:ジェントルキャストリプルルーメンカテーテル(以下Gentle-T)の有用性について検討した。 【方法】当院にて、上記のバスキュラーアクセスカテーテルを使用し、血液浄化療法を施行した症例を対象にCLMを用いて、Gentle-D・Gentle-Tの順接続時、逆接続時における血流量:100ml/min・200ml/min・300ml/minの再循環率・静脈圧、また最大血流量の測定を行った。 【結果及び考察】Gentle-D・Gentle-Tはその構造から、脱血不良を抑制し高血流量が得られた。再循環率は、共に順接続時に血流量:300ml/minまでは5%以下であった。Gentle-Tは、カテーテル先端に輸液ルートを備え、再循環率も少ないことにより、急性期での血液浄化療法を安全に施行できることが確認できた。しかしGentle-D・Gentle-T共に逆接続時は血流量の増加に伴い、再循環率も上昇することから、逆接続での使用は十分な注意が必要であり、定期的に再循環率の測定をして、その程度を把握することは、透析効率の低下・カテーテルの交換時期の確認に必要と考えられる。 【結語】Gentle-D・Gentle-Tは今回観察中、その構造上から脱血不良を認めず最大血流量、再循環率において優れており、有用であると考えられた。
Bibliography:2F114
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.56.0.297.0