消化器特有の死後の処置の実態調査を行って

<はじめに>消化器内科は急性期患者から終末期患者が入院しており、患者の死に直面する事も多い。死後の処置として院内手順はあるが、消化器特有の処置に対する統一された手順・対処法はない。そのため看護師の手技の違い、疑問・不安があるのではないかと考えた。そこで実態を明らかにしたいと考えた。     <研究目的>看護師の死後の処置に対する学習方法の違い、疑問・不安を質問紙調査により実態を明らかにする。     <研究方法> 期間:2009年6月~11月     対象:消化器内科看護師 17名     方法:選択式、一部記述式の2項目の質問紙調査。 内容_丸1_死後の処置の学習方法_丸2_死後の処置への疑...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 59; p. 257
Main Authors 小橋, 幸美, 佐藤, 和美, 小見渕, 幸子, 國分, 美千子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2010
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.59.0.257.0

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Summary:<はじめに>消化器内科は急性期患者から終末期患者が入院しており、患者の死に直面する事も多い。死後の処置として院内手順はあるが、消化器特有の処置に対する統一された手順・対処法はない。そのため看護師の手技の違い、疑問・不安があるのではないかと考えた。そこで実態を明らかにしたいと考えた。     <研究目的>看護師の死後の処置に対する学習方法の違い、疑問・不安を質問紙調査により実態を明らかにする。     <研究方法> 期間:2009年6月~11月     対象:消化器内科看護師 17名     方法:選択式、一部記述式の2項目の質問紙調査。 内容_丸1_死後の処置の学習方法_丸2_死後の処置への疑問・不安      <倫理的配慮>質問紙調査は無記名で行い、得られたデータは本研究以外で使用しない事を説明し同意を得た。     <結果>質問紙調査の回収率は100%であった。_丸1_「死後の処置の学習の仕方」の問いでは「院内の手順を用いての学習」が0名、「先輩からの教育」が17名であった。_丸2_「死後の処置への疑問・不安点」では複数回答としており、「口の閉じ方がわからない」が16名、「吐血・下血などの止血対処法が分からない」が14名、「胃瘻・腸瘻、ストーマなどの処置の仕方が分からない」が9名であった。     <考察>質問紙調査の結果から死後の処置の学習の仕方では先輩からの教育が多い事、死後の処置への疑問・不安では消化器特有の処置が多くある事がわかった。これは院内手順には消化器特有の手順・対処法の明記がなく、看護師間の無形の伝達によって処置が行われていた為と考えられる。また手順・対処法が明記されていない事で疑問・不安が多い事にも繋がっていったと考えられる。院内手順に消化器特有の手順・対処法が明記されれば、無形の伝達による死後の処置をする事がなくなり、疑問・不安も解消されると考えられる。そして院内手順を用いた学習・教育ができ、今後統一された死後の処置に繋がるのではないかと考える。
Bibliography:P1-G2-5
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.59.0.257.0