外来患者診療待ち時間の不満軽減への取り組み
〈はじめに〉日本の医療機関において,患者の不満の原因として外来患者診療待ち時間は大きな割合を占めている。当院の「外来患者満足度調査」の結果でも,待ち時間の苦情があがっている。毎年対策は試みるものの,待ち時間短縮には繋がらない。そこで,待ち時間の改善策を患者サービスの観点で視点を変えて検討・実施したことで,患者の「待たされ感」が減少し不満の軽減に繋がったのでここに報告する。 〈方法〉1.調査研究:改善策実施の前後に,研究以外には使用しないことで同意を得られた内科予約患者90名,86名を対象に待ち時間と待ち時間に対する思いをアンケート調査する。2.方法:上記患者アンケートにより待ち時間に対する不満...
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Published in | Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 58; p. 186 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2009
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-1749 1880-1730 |
DOI | 10.14879/nnigss.58.0.186.0 |
Cover
Summary: | 〈はじめに〉日本の医療機関において,患者の不満の原因として外来患者診療待ち時間は大きな割合を占めている。当院の「外来患者満足度調査」の結果でも,待ち時間の苦情があがっている。毎年対策は試みるものの,待ち時間短縮には繋がらない。そこで,待ち時間の改善策を患者サービスの観点で視点を変えて検討・実施したことで,患者の「待たされ感」が減少し不満の軽減に繋がったのでここに報告する。 〈方法〉1.調査研究:改善策実施の前後に,研究以外には使用しないことで同意を得られた内科予約患者90名,86名を対象に待ち時間と待ち時間に対する思いをアンケート調査する。2.方法:上記患者アンケートにより待ち時間に対する不満を調査し,「いつ呼ばれるかわからない」という内容に着目して改善策を検討,患者に診察時間がわかるように掲示した。 〈結果〉改善策実施前の待ち時間は平均74分,後の待ち時間は平均63分であり,待ち時間が長いと思う患者もほとんど変化がなかったにもかかわらず,改善策後のアンケートでは68.7%の患者が「気持が変わった」と答えている。気持ちの変化した理由として,「診療時間の予測がつく」「診療時間がわかる」が21%であった。これにより,診療時間掲示による時間利用で「買い物ができるようになった」「知人の見舞いに行ける」など,待合室を離れて時間を有効に活用していた。 〈考察〉待ち時間の対策は,患者サービスの視点から重要であり,その解決は永遠の課題である。当院では電光掲示板はあるものの,診察医師の複雑さより活用されていない。今回の対策で,待ち時間は同じであっても診察時間の目安がわかるようにしたことは,待たされ感の減少に繋がると言える。 〈結論〉「時間」は限られたものであり,貴重な資源であることから患者サービスのためには待ち時間短縮への努力が必要である。同時に,待ち時間を有効に活用できるよう支援することもサービスの一環になると考える。 |
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Bibliography: | 24-03 |
ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
DOI: | 10.14879/nnigss.58.0.186.0 |