クロロメチル化ポリスチレンのアミノ化反応に及ぼす溶媒効果

いろいろな溶媒中で数平均分子重18700, タロロメチル化率66.6%のクロロメチル化ポリスチレン (CMPS) のトリエチルアミン (TEA) によるアミノ化反応を行い, 反応温度の効果を検討した. CMPSのアミノ化は求核置換反応でTEAとタロロメチル基の濃度に比例すると考えられる二次反応で進行した. 反応速度は溶媒の凝集エネルギー密度 (CED) およびET値が大きくなると増大する傾向が認められた. プロトン性溶媒を用いた場合, TEAと溶媒の水素結合のため大きな活性化エネルギー (EA) が得られ, 非プロトン性溶媒では活性化錯体は強く溶媒和を受けるため, 活性化エントロピー (ΔS≠...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in高分子論文集 Vol. 34; no. 2; pp. 125 - 129
Main Authors 篠田, 清徳, 得猪, 治輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 1977
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:いろいろな溶媒中で数平均分子重18700, タロロメチル化率66.6%のクロロメチル化ポリスチレン (CMPS) のトリエチルアミン (TEA) によるアミノ化反応を行い, 反応温度の効果を検討した. CMPSのアミノ化は求核置換反応でTEAとタロロメチル基の濃度に比例すると考えられる二次反応で進行した. 反応速度は溶媒の凝集エネルギー密度 (CED) およびET値が大きくなると増大する傾向が認められた. プロトン性溶媒を用いた場合, TEAと溶媒の水素結合のため大きな活性化エネルギー (EA) が得られ, 非プロトン性溶媒では活性化錯体は強く溶媒和を受けるため, 活性化エントロピー (ΔS≠) に大きく左右される結果が得られた. EAとΔS≠の間には補償効果を示す直線関係が確かめられ, 溶媒のCED値に対してEAおよびΔS≠の間にはいずれも130と150cal/mlの範囲にピーク値を示す山型関係が得られた.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.34.125