軸方向頭部X線規格写真による下顎頭長軸角の計測方法に関する研究

「緒言」近年, 下顎枝矢状分割術の顎関節への影響を把握するために, 軸方向頭部X線規格写真やCTあるいはMRIによる下顎頭長軸角の水平面上における角度変化に関する研究1-16)や顎関節症患者の水平面上における下顎頭長軸角に関する研究17-19)が多く行われている. しかしながら, 水平面上における下顎頭の形態は多様な形態を示し20), 外形が円に近い場合などには, 長軸の決定が難しい例もあることが指摘され5, 21)ているにもかかわらず, 下顎頭長軸の定義を明確にした研究5-7, 17)は少なく, 下顎頭長軸の決定方法の信頼性や下顎頭長軸角とその角度変化の計測方法の違いが計測結果に与える影響に...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 7; no. 1; pp. 1 - 9
Main Authors 新井, 一仁, 石川, 晴夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 30.04.1997
日本顎変形症学会
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd1991.7.1

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Summary:「緒言」近年, 下顎枝矢状分割術の顎関節への影響を把握するために, 軸方向頭部X線規格写真やCTあるいはMRIによる下顎頭長軸角の水平面上における角度変化に関する研究1-16)や顎関節症患者の水平面上における下顎頭長軸角に関する研究17-19)が多く行われている. しかしながら, 水平面上における下顎頭の形態は多様な形態を示し20), 外形が円に近い場合などには, 長軸の決定が難しい例もあることが指摘され5, 21)ているにもかかわらず, 下顎頭長軸の定義を明確にした研究5-7, 17)は少なく, 下顎頭長軸の決定方法の信頼性や下顎頭長軸角とその角度変化の計測方法の違いが計測結果に与える影響について詳細に検討した研究はみられない. 一方, 歯科矯正学の分野においては, 側面頭部X線規格写真の重ね合わせ法は, 成長発育や矯正治療の評価を行う上で重要であり, 様々な方法が考案されている. その中でも, 近年, 解剖学的な構造のうち最も適合した位置で重ね合わせを行う, いわゆる“Best fit”(“structural method”あるいは“anatomical best fit”)法がより信頼性の高い方法として注目され, 研究が行われてきている3, 22-25). 以上のことから, 下顎頭長軸角の角度変化の計測誤差を少なくする目的で, この“Best fit”法を応用した下顎頭の長軸を用いない角度変化の計測方法(以下“Best fit”法と記す)を考案した.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.7.1