小児腎移植におけるミコフェノール酸モフェチルの多施設共同オープンラベル臨床試験 有効性・安全性,薬物動態の評価
国内小児腎移植におけるミコフェノール酸モフェチル (MMF) の有効性・安全性,薬物動態を評価するために,多施設共同オープンラベル臨床試験を行った。 小児腎移植患者25例に,多剤免疫抑制薬併用下にMMF (600∼1,200mg/m2/日 分2経口投与) を1年間投与し,経過観察した。評価項目は,腎移植後6か月の拒絶反応発現割合,腎移植後1年の生着割合および生存割合,有害事象発現頻度とした。AUC0-12,Cmax,Tmaxなどの薬物動態態パラメータを算出した。 腎移植後6か月の拒絶反応発現割合は24%,腎移植後1年の生着割合は100%であった。有害事象発現頻度は68%であった。MMF投与...
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Published in | 日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 24; no. 1; pp. 36 - 46 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
15.04.2011
日本小児腎臓病学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0915-2245 1881-3933 |
DOI | 10.3165/jjpn.24.36 |
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Summary: | 国内小児腎移植におけるミコフェノール酸モフェチル (MMF) の有効性・安全性,薬物動態を評価するために,多施設共同オープンラベル臨床試験を行った。 小児腎移植患者25例に,多剤免疫抑制薬併用下にMMF (600∼1,200mg/m2/日 分2経口投与) を1年間投与し,経過観察した。評価項目は,腎移植後6か月の拒絶反応発現割合,腎移植後1年の生着割合および生存割合,有害事象発現頻度とした。AUC0-12,Cmax,Tmaxなどの薬物動態態パラメータを算出した。 腎移植後6か月の拒絶反応発現割合は24%,腎移植後1年の生着割合は100%であった。有害事象発現頻度は68%であった。MMF投与後3か月時平均AUC0-12は,48.7±27.6μg hr/mLであった。推定AUC0-12の経時的推移は,米国小児腎移植患者と同様であった。 本試験には試験デザインと登録症例数が少ないという制限があるものの,国内小児腎移植患者における,MMFの拒絶反応抑制効果と安全性が示唆された。また国内小児腎移植患者は,国内成人患者,米国小児患者と同様の薬物動態を示すことが認められた。 |
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ISSN: | 0915-2245 1881-3933 |
DOI: | 10.3165/jjpn.24.36 |