Billroth-II法再建後に発生した,憩室内結石を伴う十二指腸憩室穿孔の1例
症例は80歳の男性で,幽門側胃切除術,Billroth-II法再建の手術歴があり,また79歳時,総胆管結石に対し内視鏡的切石術の既往歴がある.発熱,腹痛のため入院となり,腹部造影CTにて十二指腸憩室および膿瘍形成を伴う遊離ガス像を認めたため,十二指腸憩室穿孔と診断し緊急開腹術を施行した.手術所見にて十二指腸下行脚後壁の憩室内に結石を伴う穿孔部を認め,縫合閉鎖・大網被覆術・腹腔ドレナージ術,さらに胆囊摘出術,胆道ドレナージ術を施行した.Billroth-II法再建術後の輸入脚内では腸管内圧上昇や憩室内腸石形成および憩室炎から十二指腸憩室は穿孔を合併しやすく,Billroth-II法再建時に十二指...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 46; no. 12; pp. 901 - 906 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
2013
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Subjects | |
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.2013.0036 |
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Summary: | 症例は80歳の男性で,幽門側胃切除術,Billroth-II法再建の手術歴があり,また79歳時,総胆管結石に対し内視鏡的切石術の既往歴がある.発熱,腹痛のため入院となり,腹部造影CTにて十二指腸憩室および膿瘍形成を伴う遊離ガス像を認めたため,十二指腸憩室穿孔と診断し緊急開腹術を施行した.手術所見にて十二指腸下行脚後壁の憩室内に結石を伴う穿孔部を認め,縫合閉鎖・大網被覆術・腹腔ドレナージ術,さらに胆囊摘出術,胆道ドレナージ術を施行した.Billroth-II法再建術後の輸入脚内では腸管内圧上昇や憩室内腸石形成および憩室炎から十二指腸憩室は穿孔を合併しやすく,Billroth-II法再建時に十二指腸憩室を認める場合は,穿孔予防目的で翻転術などの付加を考慮すべきであると考えられた.つまり,十二指腸憩室を伴う幽門側胃切除時の再建術としては,Billroth-I法やRoux-Y法が望ましいといえる. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.2013.0036 |