十二指腸狭窄を来した特発性後腹膜線維症の1例
70歳,男性,来院8日前からの腹痛と嘔吐で受診した.CTで胃の拡張と十二指腸水平部の狭窄を認め,MRIで十二指腸水平部の壁外の漿膜下層が肥厚していた.病変は後腹膜に限局するため組織採取は困難であり,十二指腸狭窄を来した特発性後腹膜線維症と考えた.診断的治療としてステロイド0.6 mg/kgで開始し,狭窄は改善した.特発性後腹膜線維症に対するステロイド治療は,組織診断がつかないデメリットがあるが有効な選択肢であると考える....
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 113; no. 8; pp. 1420 - 1427 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
10.08.2024
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Subjects | |
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ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.113.1420 |
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Summary: | 70歳,男性,来院8日前からの腹痛と嘔吐で受診した.CTで胃の拡張と十二指腸水平部の狭窄を認め,MRIで十二指腸水平部の壁外の漿膜下層が肥厚していた.病変は後腹膜に限局するため組織採取は困難であり,十二指腸狭窄を来した特発性後腹膜線維症と考えた.診断的治療としてステロイド0.6 mg/kgで開始し,狭窄は改善した.特発性後腹膜線維症に対するステロイド治療は,組織診断がつかないデメリットがあるが有効な選択肢であると考える. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.113.1420 |