振動分光法による界面活性剤単分子膜のキャラクタリゼーション

界面活性剤分子の吸着挙動は界面科学の重要な問題である。近年, 気液界面や固体表面の単分子膜は生体膜, 二次元のパターン形成, 光応答挙動あるいは分子認識などのモデルシステムとして大いに関心が持たれている。不溶性単分子膜や固体基板上の単分子膜のミクロな構造や形態の解明にはさまざまな測定手法, たとえばX線回折法, 非線型分光法, ラマンや赤外分光法, さらにはブリュースタ顕微鏡法などが用いられてきた。一方, 気水界面に吸着した水溶性界面活性剤の単分子膜の解析法は限られている。本総説では, 非破壊で分子のコンフォメーションに敏感な振動分光法を界面活性剤単分子膜のキャラクタリゼーションに適用した例に...

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Published inオレオサイエンス Vol. 9; no. 5; pp. 165 - 173
Main Author 河合, 武司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本油化学会 2009
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ISSN1345-8949
2187-3461
DOI10.5650/oleoscience.9.165

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Summary:界面活性剤分子の吸着挙動は界面科学の重要な問題である。近年, 気液界面や固体表面の単分子膜は生体膜, 二次元のパターン形成, 光応答挙動あるいは分子認識などのモデルシステムとして大いに関心が持たれている。不溶性単分子膜や固体基板上の単分子膜のミクロな構造や形態の解明にはさまざまな測定手法, たとえばX線回折法, 非線型分光法, ラマンや赤外分光法, さらにはブリュースタ顕微鏡法などが用いられてきた。一方, 気水界面に吸着した水溶性界面活性剤の単分子膜の解析法は限られている。本総説では, 非破壊で分子のコンフォメーションに敏感な振動分光法を界面活性剤単分子膜のキャラクタリゼーションに適用した例について紹介する。
ISSN:1345-8949
2187-3461
DOI:10.5650/oleoscience.9.165