保健医療社会学論集の既刊分の分析から

本稿は、編集委員会特別企画に際して、保健医療社会学論集の今後を展望するためには、まずこれまでについて踏まえることが必要だろうということから、既刊分を振り返った分析内容の報告である。まず、時代を経るにつれて、保健・医療・福祉領域における問題やトピックの立て方に大きな変化があったことが確認された。また、当初から患者や障害を持つ人たちなどへのアプローチは意識されていたが、当初はどうしても提供者中心だったのが、本人たちの視点により近づこうとするものが増えてきていることもわかった。研究手法の面でも、本人や提供者たちの語りに注目する研究が増えている。本学会がこうした特徴をはぐくんできたことを踏まえることは...

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Published in保健医療社会学論集 Vol. 31; no. 1; pp. 6 - 20
Main Authors 三井, さよ, 堀川, 英起, 三枝, 七都子, 木矢, 幸孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本保健医療社会学会 31.07.2020
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Summary:本稿は、編集委員会特別企画に際して、保健医療社会学論集の今後を展望するためには、まずこれまでについて踏まえることが必要だろうということから、既刊分を振り返った分析内容の報告である。まず、時代を経るにつれて、保健・医療・福祉領域における問題やトピックの立て方に大きな変化があったことが確認された。また、当初から患者や障害を持つ人たちなどへのアプローチは意識されていたが、当初はどうしても提供者中心だったのが、本人たちの視点により近づこうとするものが増えてきていることもわかった。研究手法の面でも、本人や提供者たちの語りに注目する研究が増えている。本学会がこうした特徴をはぐくんできたことを踏まえることは、今後を展望する上で重要な材料となるだろう。
ISSN:1343-0203
2189-8642
DOI:10.18918/jshms.31.1_6