ディスポーザブルバッグによる経腸栄養剤投与の有用性の検討 第二報-経腸栄養剤の衛生面の検討

当院栄養部では、一括集中調製方式により経腸栄養剤(以下、栄養剤)を専用のガラスビンに調製し提供してきたが、今回、ディスポーザブルバッグ(以下、バッグ)を導入した。導入にあたり、栄養剤への細菌混入や4種類の細菌で汚染した栄養剤の保管温度の違いによる細菌増殖の経時変化および調製室内における作業環境の衛生状況の把握を目的とした細菌検出調査を実施した。経時変化における細菌増殖性の調査では、3 種類の栄養剤を各3 袋ずつ調製した。その結果、バッグに調製した栄養剤では、生菌は冷蔵管理では24 時間経過後も検出されなかったが、室温保管では1 袋のみから検出された。あらかじめ細菌で汚染した場合でも、冷蔵保管で...

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Published inJournal of the Japan Dietetic Association Vol. 54; no. 6; pp. 419 - 423
Main Authors 佐藤, 和美, 鶴谷, 早苗, 須川, 明子, 宮下, 実, 森, みさ子, 曽根, あずさ, 廣瀬, 京子, 小森山, 広幸, 川島, 由起子, 林, 宏行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養士会 2011
The Japan Dietetic Association
Subjects
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ISSN0013-6492
2185-6877
DOI10.11379/jjda.54.419

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Summary:当院栄養部では、一括集中調製方式により経腸栄養剤(以下、栄養剤)を専用のガラスビンに調製し提供してきたが、今回、ディスポーザブルバッグ(以下、バッグ)を導入した。導入にあたり、栄養剤への細菌混入や4種類の細菌で汚染した栄養剤の保管温度の違いによる細菌増殖の経時変化および調製室内における作業環境の衛生状況の把握を目的とした細菌検出調査を実施した。経時変化における細菌増殖性の調査では、3 種類の栄養剤を各3 袋ずつ調製した。その結果、バッグに調製した栄養剤では、生菌は冷蔵管理では24 時間経過後も検出されなかったが、室温保管では1 袋のみから検出された。あらかじめ細菌で汚染した場合でも、冷蔵保管では増殖はほとんどなかったが、室温保管では、6 時間後より増殖し、12 時間後より許容限界を超える生菌が検出された。調製室内では、5/8 カ所で落下菌が検出された。以上のことより、栄養剤の調製は速やかに行い、冷蔵保管による温度管理が継続できていれば、一括集中調製方式において、バッグを用いた栄養剤の衛生面における安全性が確認できた。
ISSN:0013-6492
2185-6877
DOI:10.11379/jjda.54.419