骨化生を呈した膵管内乳頭粘液性癌の1例

症例は74歳の女性で,皮膚の掻痒感を主訴に当院を受診した.黄疸を認め,US,CT,ERCPなどの画像検索では膵頭部に粗大な石灰化を伴う囊胞性腫瘍を認めた.悪性疾患を否定できないこと,および有症状であることから,膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的検査では,胆管および十二指腸への浸潤を認める膵管内乳頭粘液性癌と診断された.組織亜型はhigh-grade gastric typeの分枝型であり,豊富な骨梁形成を伴う骨化像を呈していた.術後3年4か月を経た現在,再発を認めていない.石灰化を伴う分枝型膵管内乳頭粘液性癌の報告は比較的まれであり,骨形成を来した症例は報告されていない....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 48; no. 3; pp. 241 - 247
Main Authors 山村, 明寛, 小野地, 章一, 大村, 範幸, 平賀, 雅樹, 小野, 文徳, 笹野, 公伸, 古川, 徹, 佐藤, 純, 佐藤, 学, 小原, 恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2015
Subjects
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.2014.0018

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Summary:症例は74歳の女性で,皮膚の掻痒感を主訴に当院を受診した.黄疸を認め,US,CT,ERCPなどの画像検索では膵頭部に粗大な石灰化を伴う囊胞性腫瘍を認めた.悪性疾患を否定できないこと,および有症状であることから,膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的検査では,胆管および十二指腸への浸潤を認める膵管内乳頭粘液性癌と診断された.組織亜型はhigh-grade gastric typeの分枝型であり,豊富な骨梁形成を伴う骨化像を呈していた.術後3年4か月を経た現在,再発を認めていない.石灰化を伴う分枝型膵管内乳頭粘液性癌の報告は比較的まれであり,骨形成を来した症例は報告されていない.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2014.0018