エビデンスよりみた膵癌に対する術前補助療法

予後不良の固形癌の代表とされる膵癌にあって,拡大手術の限界と有効な化学療法の実臨床への導入と相まって,予後改善の方策として膵癌に対する術前補助療法(以下,Neo-Adjと略記)が注目されている.Neo-Adjの標準治療の確立には臨床試験を行い,安全性,認容性,有効性など検討・検証が必要となる.日本膵臓学会より膵癌取扱い規約第7版が発刊され,膵癌の切除可能性分類が提案され,その提案に従って,一定の定義された膵癌に対して臨床試験を行っていくことも重要である.Neo-Adjについての現在の欧米や我が国の診療ガイドラインでの推奨,Neo-Adjの大規模なコホート研究,第I相,II相,III相試験,メタ...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 50; no. 8; pp. 614 - 623
Main Author 山口, 幸二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2017
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.2017.0008

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Summary:予後不良の固形癌の代表とされる膵癌にあって,拡大手術の限界と有効な化学療法の実臨床への導入と相まって,予後改善の方策として膵癌に対する術前補助療法(以下,Neo-Adjと略記)が注目されている.Neo-Adjの標準治療の確立には臨床試験を行い,安全性,認容性,有効性など検討・検証が必要となる.日本膵臓学会より膵癌取扱い規約第7版が発刊され,膵癌の切除可能性分類が提案され,その提案に従って,一定の定義された膵癌に対して臨床試験を行っていくことも重要である.Neo-Adjについての現在の欧米や我が国の診療ガイドラインでの推奨,Neo-Adjの大規模なコホート研究,第I相,II相,III相試験,メタ解析などエビデンスからみた膵癌に対するNeo-Adjの現状を概説した.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2017.0008