回腸原発淡明細胞肉腫の1例
症例は41歳の女性で,発熱と血便,貧血を主訴に来院し,回腸腫瘍に対して回腸部分切除およびS状結腸切除を施行された.組織学的には,比較的小型で核胞体比が高く,淡明な胞体を持つ円形の異型細胞の敷石状増生を認めた.免疫組織学的に腫瘍細胞はS-100部分的に陽性,さらにSOX10がびまん性に陽性で,FISH法でEWSR1遺伝子のsplit signalを検出し,回腸原発の淡明細胞肉腫(clear cell sarcoma)と診断された.術後,doxorubicin(ADR)+ifosfamide(IFM)による化学療法を合計5コース行い,術後2年4か月を経過して明らかな再発は認めていない.極めてまれな...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 49; no. 1; pp. 29 - 35 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.01.2016
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Subjects | |
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.2014.0247 |
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Summary: | 症例は41歳の女性で,発熱と血便,貧血を主訴に来院し,回腸腫瘍に対して回腸部分切除およびS状結腸切除を施行された.組織学的には,比較的小型で核胞体比が高く,淡明な胞体を持つ円形の異型細胞の敷石状増生を認めた.免疫組織学的に腫瘍細胞はS-100部分的に陽性,さらにSOX10がびまん性に陽性で,FISH法でEWSR1遺伝子のsplit signalを検出し,回腸原発の淡明細胞肉腫(clear cell sarcoma)と診断された.術後,doxorubicin(ADR)+ifosfamide(IFM)による化学療法を合計5コース行い,術後2年4か月を経過して明らかな再発は認めていない.極めてまれな消化管原発の淡明細胞肉腫を経験したので報告する. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.2014.0247 |