バックレストの有無が嚥下機能に及ぼす影響

【目的】バックレストの有無が姿勢や嚥下機能に及ぼす影響を検討した。【方法】対象は摂食嚥下障害を有する脳血管疾患患者 12 名であった。身体機能計測として頸部・頭頸部・体幹の屈曲筋力,頭蓋脊椎角(Craniovertebral Angle:CVA)を,嚥下機能検査としてRepetitive Saliva Swallowing Test(RSST),舌圧を測定した。CVA,RSST,舌圧はバックレスト(NB),バックレストあり(WB)の2条件で計測を行った。【結果】NBとWBで比較し,CVAと舌圧はWBにおいて有意に高値であった。WBにおいてRSSTと舌圧が共に高い値であった改善群と,それ以外の非...

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Published in理学療法 - 臨床・研究・教育 Vol. 32; no. 1; pp. 16 - 22
Main Authors 今村, 嘉希, 藤澤, 政紀, 益子, 千慧, 浅見, 和哉, 三浦, 寛貴, 村上, 小夏, 山崎, 裕子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 埼玉県理学療法士会 2025
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ISSN1880-893X
1880-8948
DOI10.11350/ptcse.32.16

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Summary:【目的】バックレストの有無が姿勢や嚥下機能に及ぼす影響を検討した。【方法】対象は摂食嚥下障害を有する脳血管疾患患者 12 名であった。身体機能計測として頸部・頭頸部・体幹の屈曲筋力,頭蓋脊椎角(Craniovertebral Angle:CVA)を,嚥下機能検査としてRepetitive Saliva Swallowing Test(RSST),舌圧を測定した。CVA,RSST,舌圧はバックレスト(NB),バックレストあり(WB)の2条件で計測を行った。【結果】NBとWBで比較し,CVAと舌圧はWBにおいて有意に高値であった。WBにおいてRSSTと舌圧が共に高い値であった改善群と,それ以外の非改善群の身体機能を比較したところ,改善群は体幹屈曲筋力が有意に高かった。【結論】バックレストにはCVAと舌圧を高める効果があった。バックレストにより嚥下機能が高値を示した者は体幹筋力が強いという特性を認めた。しかし筋力低下が著しい症例にもシーティングの有効性があることから,嚥下障害の重症度によってシーティングの役割は異なると考えられる。
ISSN:1880-893X
1880-8948
DOI:10.11350/ptcse.32.16