Cefpirome sulfateの抗原性試験
CPRの免疫学的性質について検討し, 以下の結果を得た. 1. CPRの免疫原性および誘発原性については, モルモットを用い, 能動全身性アナフィラキシーおよびhomologous 4hr PCAにて検索した. その結果, CPRの腹腔内単独感作では, 対照物質として用いたCAZ, CETと同様に, 全身性アナフィラキシーおよびPCA反応とともに陰性であった. さらに本化合物をFreund's complete adjuvantともに感作すると, 全身性アナフィラキシー試験ではCER, CETおよびCEZ, PCA試験ではCETと同様に抗体が検出され免疫原性が認められた. また, C...
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Published in | The Journal of Toxicological Sciences Vol. 15; no. SupplementIII; pp. 129 - 145 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
一般社団法人 日本毒性学会
1990
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0388-1350 1880-3989 |
DOI | 10.2131/jts.15.SupplementIII_129 |
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Summary: | CPRの免疫学的性質について検討し, 以下の結果を得た. 1. CPRの免疫原性および誘発原性については, モルモットを用い, 能動全身性アナフィラキシーおよびhomologous 4hr PCAにて検索した. その結果, CPRの腹腔内単独感作では, 対照物質として用いたCAZ, CETと同様に, 全身性アナフィラキシーおよびPCA反応とともに陰性であった. さらに本化合物をFreund's complete adjuvantともに感作すると, 全身性アナフィラキシー試験ではCER, CETおよびCEZ, PCA試験ではCETと同様に抗体が検出され免疫原性が認められた. また, CPRは全身性アナフィラキシーおよびPCAの誘発能も有していたが, CERおよびCETにも, 低頻度ではあるが全身性アナフィラキシーあるいはPCAの誘発原性が認められた. 2. CPRと市販抗生物質との交差反応性を, ウサギに抗生物質-OVA結合物をFCAとともに免疫して得られた抗血清を用い, 抗生物質-BSA結合物を抗原として, PCA, 間接赤血凝集反応および同阻止反応により検討した. その結果, CPRは同じ7位側鎖を有するCTX と著明な交差反応性を示し, またCAZとCETとは弱い一方向性の反応性が認められた. 3. 試験管内直接クームス試験でのCPRのクームス陽性化の強さはLMOXより強く, CEZと同程度で, CTX, CETおよびPCGよりも弱かった. 以上の結果を総合してCPRの安全性を評価する場合, 本化合物の抗原性は市販抗生物質と比較して特に問題となることはないと考えられる. |
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ISSN: | 0388-1350 1880-3989 |
DOI: | 10.2131/jts.15.SupplementIII_129 |