出血性ショックを伴う急性硬膜外血腫に中硬膜動静脈瘻と頸動脈海綿静脈洞瘻を併発した1例

35歳男性. 左側頭部打撲・頭頸部切創・出血性ショックで来院した. 左外頸静脈・左浅側頭動脈の出血を結紮止血しショック離脱後に急性硬膜外血腫の血腫除去術を実施した. 術前のcomputed tomography (CT) で動静脈瘻が疑われ, day2の脳血管撮影で左中硬膜動脈から浅中大脳静脈・上眼静脈への瘻孔 (中硬膜動静脈瘻) と内頸動脈分枝から海綿静脈洞への瘻孔 (頸動脈海綿静脈洞瘻) が確認された. Day4に中硬膜動静脈瘻をコイル塞栓した. 頸動脈海綿静脈洞瘻は出血リスクが低く保存的加療とした. 頭頸部切創・急性硬膜外血腫の適切な治療と中硬膜動静脈瘻・頸動脈海綿静脈洞瘻の迅速な診断・...

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Published in日本外傷学会雑誌 Vol. 36; no. 4; pp. 359 - 363
Main Authors 森田, 恭成, 近藤, 貴士郎, 鈴木, 秀一, 金原, 佑樹, 伊藤, 翔平, 東郷, 建世, 関, 幸雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外傷学会 20.10.2022
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ISSN1340-6264
2188-0190
DOI10.11382/jjast.36.4_05

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Summary:35歳男性. 左側頭部打撲・頭頸部切創・出血性ショックで来院した. 左外頸静脈・左浅側頭動脈の出血を結紮止血しショック離脱後に急性硬膜外血腫の血腫除去術を実施した. 術前のcomputed tomography (CT) で動静脈瘻が疑われ, day2の脳血管撮影で左中硬膜動脈から浅中大脳静脈・上眼静脈への瘻孔 (中硬膜動静脈瘻) と内頸動脈分枝から海綿静脈洞への瘻孔 (頸動脈海綿静脈洞瘻) が確認された. Day4に中硬膜動静脈瘻をコイル塞栓した. 頸動脈海綿静脈洞瘻は出血リスクが低く保存的加療とした. 頭頸部切創・急性硬膜外血腫の適切な治療と中硬膜動静脈瘻・頸動脈海綿静脈洞瘻の迅速な診断・治療により良好な転帰を得た.
ISSN:1340-6264
2188-0190
DOI:10.11382/jjast.36.4_05