「下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術のガイドライン2019」側枝静脈瘤に対するレーザー焼灼術に関する追補

伏在静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術では,静脈瘤切除や硬化療法による側枝静脈瘤の同時治療が一般的に行われてきた.これらの治療の欠点を補うために,最近では側枝静脈瘤に対するレーザー焼灼術が広く行われるようになっている.本ガイドラインは,側枝静脈瘤に対するレーザー焼灼術の適切な治療指針を提供するために日本静脈学会ガイドライン委員会が作成した.適応は伏在静脈本幹と同時に側枝静脈瘤の治療を必要とする一次性下肢静脈瘤である.治療は細径タイプの全周照射型ファイバーを用い,短軸あるいは長軸アプローチで穿刺・焼灼を行う.有害事象として,頻度は少ないが皮膚熱傷,神経障害,光ファイバー破損が報告されており,安全...

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Published in静脈学 Vol. 36; no. 1; pp. 51 - 58
Main Authors 小川, 智弘, 山本, 崇, 宇藤, 純一, 鈴木, 修, 孟, 真, 杉山, 悟, 広川, 雅之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈学会 14.04.2025
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ISSN0915-7395
2186-5523
DOI10.7134/phlebol.25-02

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Summary:伏在静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術では,静脈瘤切除や硬化療法による側枝静脈瘤の同時治療が一般的に行われてきた.これらの治療の欠点を補うために,最近では側枝静脈瘤に対するレーザー焼灼術が広く行われるようになっている.本ガイドラインは,側枝静脈瘤に対するレーザー焼灼術の適切な治療指針を提供するために日本静脈学会ガイドライン委員会が作成した.適応は伏在静脈本幹と同時に側枝静脈瘤の治療を必要とする一次性下肢静脈瘤である.治療は細径タイプの全周照射型ファイバーを用い,短軸あるいは長軸アプローチで穿刺・焼灼を行う.有害事象として,頻度は少ないが皮膚熱傷,神経障害,光ファイバー破損が報告されており,安全に手技を施行するためには一定のlearning curveが必要である.今後は,さらなる臨床研究を通じて,側枝静脈瘤に対するレーザー焼灼術の安全性と有効性を向上させなければならない.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.25-02