von Recklinghausen病に合併した血胸開胸術の既往下に右甲状頸動脈分枝に 仮性動脈瘤破裂を生じた症例

von Recklinghausen病の既往歴があり、右甲状頸動脈分枝の仮性動脈瘤破裂により死亡した症例を経験した。症例は50代の男性。胸部CTで肺炎像はないが酸素需要があるため、COVID-19中等症の診断で入院した。レムデシビルを5日間投与し、経過は良好だったが突如、背部痛と冷汗が出現した。激痛と呼吸困難を訴えたため、胸部CTを施行すると食道背側に等吸収域があった。その後、酸素化が低下し、状態を安定させるためにCT検査を断念してICUに入室した。気管挿管後に心停止となり心肺蘇生を開始し、2分後に自己心拍が再開した。胸部造影CTを施行すると食道背側に血腫が見られた。血管造影で右甲状頸動脈分枝...

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Published in日本救急医学会関東地方会雑誌 Vol. 46; no. 2; pp. 156 - 159
Main Authors 半沢, 鞠佳, 佐藤, 秀貴, 北薗, 雅敏, 工藤, 小織
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本救急医学会関東地方会 31.03.2025
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Summary:von Recklinghausen病の既往歴があり、右甲状頸動脈分枝の仮性動脈瘤破裂により死亡した症例を経験した。症例は50代の男性。胸部CTで肺炎像はないが酸素需要があるため、COVID-19中等症の診断で入院した。レムデシビルを5日間投与し、経過は良好だったが突如、背部痛と冷汗が出現した。激痛と呼吸困難を訴えたため、胸部CTを施行すると食道背側に等吸収域があった。その後、酸素化が低下し、状態を安定させるためにCT検査を断念してICUに入室した。気管挿管後に心停止となり心肺蘇生を開始し、2分後に自己心拍が再開した。胸部造影CTを施行すると食道背側に血腫が見られた。血管造影で右甲状頸動脈分枝に仮性動脈瘤を確認し、塞栓術を施行してバイタルサインは安定した。その後の胸部造影CTでは右内頸静脈血栓、右肺動脈血栓塞栓症、右無気肺があった。根本的な治療は血腫の除去であったが、以前開胸術をして同部位の手術は癒着が激しく出血のリスクがあったため積極的な治療は行わず、翌日、酸素化が低下し死亡した。
ISSN:0287-301X
2434-2580
DOI:10.24697/jaamkanto.46.2_156