分子動力学計算によるグアニンバルジDNA に結合する小分子に関する理論的研究

N-acyl-2-amino-7-methyl-1,8-naphthyridine はグアニン(G)塩基と相補的な水素結合を形成し,リガンドとしてG バルジDNA 二重鎖と選択的に結合する.しかしながら,G バルジDNA 二重鎖とリガンドとの複合体の構造は依然不明である.本研究では,分子動力学(MD)シミュレーションを用いてAN3 またはその誘導体とG バルジDNA 二重鎖との複合体の推定構造を決定し,複合体形成のための自由エネルギー差を予測し,新規リガンドを設計することを目的とした.計算結果は,G バルジDNA 二重鎖-リガンドの安定性にAN3 とその誘導体の第一級アミノ基と,N-アシルアミ...

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Published inEnsemble Vol. 23; no. 2; pp. 143 - 147
Main Author 宮川, 晃一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 分子シミュレーション学会 30.04.2021
The Molecular Simulation Society of Japan
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ISSN1884-6750
1884-5088
DOI10.11436/mssj.23.143

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Summary:N-acyl-2-amino-7-methyl-1,8-naphthyridine はグアニン(G)塩基と相補的な水素結合を形成し,リガンドとしてG バルジDNA 二重鎖と選択的に結合する.しかしながら,G バルジDNA 二重鎖とリガンドとの複合体の構造は依然不明である.本研究では,分子動力学(MD)シミュレーションを用いてAN3 またはその誘導体とG バルジDNA 二重鎖との複合体の推定構造を決定し,複合体形成のための自由エネルギー差を予測し,新規リガンドを設計することを目的とした.計算結果は,G バルジDNA 二重鎖-リガンドの安定性にAN3 とその誘導体の第一級アミノ基と,N-アシルアミノ基の炭素鎖長が重要であることを示した.また,検証のためG バルジDNA 二重鎖-リガンド複合体の融解温度測定により複合体の安定性の評価を行った.
ISSN:1884-6750
1884-5088
DOI:10.11436/mssj.23.143