laryngocele症例

laryngoceleは1829年Larryが最初の症例を報告し、その後1863年Virchowによって命名されたといわれている。本症患は喉頭室より上方に伸びたモルガニー小嚢 (laryngeal saccule) に空気が入りこみ拡大したものと考えられている。今回、両側反回神経麻痺による気道狭窄を伴う気道内圧の上昇が原因と考えられる外側型laryngocele症例を経験した。症例は57歳男性、左顎下部腫脹を主訴として来院した。腫留は表面平滑、弾性硬であり、喉頭断層撮影にて左側頸部に辺縁が滑らかな透亮像を認めCT所見にても嚢胞疾患が疑われたため、外切開にて腫留を摘出した。腫留は甲状舌骨間膜由来...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 46; no. 3; pp. 180 - 184
Main Authors 杉原, 功一, 宮崎, 和浩, 石川, 雅洋, 村田, 清高, 楠, 威志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.05.2000
Subjects
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.46.3_180

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Summary:laryngoceleは1829年Larryが最初の症例を報告し、その後1863年Virchowによって命名されたといわれている。本症患は喉頭室より上方に伸びたモルガニー小嚢 (laryngeal saccule) に空気が入りこみ拡大したものと考えられている。今回、両側反回神経麻痺による気道狭窄を伴う気道内圧の上昇が原因と考えられる外側型laryngocele症例を経験した。症例は57歳男性、左顎下部腫脹を主訴として来院した。腫留は表面平滑、弾性硬であり、喉頭断層撮影にて左側頸部に辺縁が滑らかな透亮像を認めCT所見にても嚢胞疾患が疑われたため、外切開にて腫留を摘出した。腫留は甲状舌骨間膜由来であった。病理所見は嚢胞の内側面は多列線毛上皮によって覆われており、上皮下には少数のリンパ球を主体とする炎症細胞浸潤を認めlaryngoceleと診断した。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.46.3_180