耳鼻咽喉科を受診した再発性多発性軟骨炎 (relapsing polychondritis)の3例

再発性多発性軟骨炎 (relapsing polychondritis) は、両側耳介軟骨炎、非感染性多発性軟骨炎、鼻軟骨炎、眼の炎症所見、気道軟骨炎、蝸牛前庭障害を6大症状とする、全身の軟骨炎を主体とする疾患である。今回われわれは、耳介軟骨炎、気道軟骨炎で耳鼻咽喉科を受診した3症例を経験し、その診断基準、治療法について検討を行った。現在、6大症状のうちの3症状を認めるものを再発性多発性軟骨炎とする、というMcAdamの診断基準が広く受け入れられているが、臨床上はDamianiらの提唱する診断基準に基づく早期診断、早期治療が必要であると思われた。また、声門下狭窄を呈した1症例に対してシリコンブ...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 45; no. 6; pp. 516 - 521
Main Authors 菊池, 奈美, 篠隈, 淳, 小宮山, 荘太郎, 井之口, 昭, 久, 和孝, 福島, 淳一, 浴村, 正治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.11.1999
Subjects
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.45.6_516

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Summary:再発性多発性軟骨炎 (relapsing polychondritis) は、両側耳介軟骨炎、非感染性多発性軟骨炎、鼻軟骨炎、眼の炎症所見、気道軟骨炎、蝸牛前庭障害を6大症状とする、全身の軟骨炎を主体とする疾患である。今回われわれは、耳介軟骨炎、気道軟骨炎で耳鼻咽喉科を受診した3症例を経験し、その診断基準、治療法について検討を行った。現在、6大症状のうちの3症状を認めるものを再発性多発性軟骨炎とする、というMcAdamの診断基準が広く受け入れられているが、臨床上はDamianiらの提唱する診断基準に基づく早期診断、早期治療が必要であると思われた。また、声門下狭窄を呈した1症例に対してシリコンブロックを用いた気道再建を行い経過良好であったため、気道狭窄の治療に関する文献的考察を加え、報告した。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.45.6_516