アブミ骨手術症例の検討

今回当科で施行したアブミ骨手術例について検討したので報告する。適応疾患は耳硬化症が18耳、鼓室硬化症が2耳、先天性アブミ骨固着症が2耳であった。平均術後フォロー期間は26.1カ月であり、術後6カ月以上経過観察できた17症例21耳について術後聴力の評価を行った。日本耳科学会用語委員会が2000年に提唱した基準で成功例は19耳 (90.5%) となった。気導骨導差の改善に着目した小宗らの判定基準 (2000) に照合して判定を行ったところ、同様に成功例は19耳 (90.5%) となった。当科ではアブミ骨手術において、KTPレーザーをアブミ骨脚の切断や底板の開窓に用いている。KTPレーザーによる合併...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 53; no. 3; pp. 148 - 154
Main Authors 原渕, 保明, 安部, 裕介, 片田, 彰博, 林, 達哉, 森合, 重誉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.05.2007
Subjects
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.53.3_148

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Summary:今回当科で施行したアブミ骨手術例について検討したので報告する。適応疾患は耳硬化症が18耳、鼓室硬化症が2耳、先天性アブミ骨固着症が2耳であった。平均術後フォロー期間は26.1カ月であり、術後6カ月以上経過観察できた17症例21耳について術後聴力の評価を行った。日本耳科学会用語委員会が2000年に提唱した基準で成功例は19耳 (90.5%) となった。気導骨導差の改善に着目した小宗らの判定基準 (2000) に照合して判定を行ったところ、同様に成功例は19耳 (90.5%) となった。当科ではアブミ骨手術において、KTPレーザーをアブミ骨脚の切断や底板の開窓に用いている。KTPレーザーによる合併症は一過性の内耳炎にとどまり、その導入は手術侵襲上のリスクを軽減する上で有効と考えられた。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.53.3_148