黄連湯が有効であった顔面紅斑・紅潮の5例

一般に黄連湯を皮膚疾患に対して使用することは稀である。今回,「上熱中寒」を参考にして,黄連湯を顔面紅斑 ・紅潮に用い,有効であった5例を経験した。「上熱」や「中寒」に関して,具体的な症候はこれまであまり報告されていないが,「温まると悪化する顔面紅斑・紅潮」「赤ら顔」「ほてり」「のぼせ」「舌の黄苔」を「上熱」,「温かい飲み物を好む」「冷たい飲み物で下痢が悪化する」「他覚的な心下の冷感」を「中寒」と考えることで,黄連湯を皮膚疾患に応用することが可能であった。...

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Published in日本東洋医学雑誌 Vol. 66; no. 3; pp. 236 - 243
Main Authors 矢野, 博美, 上田, 晃三, 前田, ひろみ, 益田, 龍彦, 伊藤, ゆい, 吉永, 亮, 井上, 博喜, 藤野, 昭宏, 犬塚, 央, 田原, 英一, 土倉, 潤一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本東洋医学会 2015
Subjects
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ISSN0287-4857
1882-756X
DOI10.3937/kampomed.66.236

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Summary:一般に黄連湯を皮膚疾患に対して使用することは稀である。今回,「上熱中寒」を参考にして,黄連湯を顔面紅斑 ・紅潮に用い,有効であった5例を経験した。「上熱」や「中寒」に関して,具体的な症候はこれまであまり報告されていないが,「温まると悪化する顔面紅斑・紅潮」「赤ら顔」「ほてり」「のぼせ」「舌の黄苔」を「上熱」,「温かい飲み物を好む」「冷たい飲み物で下痢が悪化する」「他覚的な心下の冷感」を「中寒」と考えることで,黄連湯を皮膚疾患に応用することが可能であった。
ISSN:0287-4857
1882-756X
DOI:10.3937/kampomed.66.236