腹腔鏡下胃局所切除術により完全一括切除しえた胃顆粒細胞腫の1例

症例は56歳の男性で,1年前の健診で胃腫瘍を指摘され,当院を受診した.上部消化管内視鏡検査で,胃体上部小彎に胃内発育型の25 mm大の粘膜下腫瘍を指摘された.10か月後には30 mmと増大していたため,超音波内視鏡検査を施行した.第4層由来の36 mm大の粘膜下腫瘍と診断した.超音波内視鏡検査下に穿刺吸引生検を施行し,gastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断された.腹部超音波検査,CTなどで転移所見は認めず,手術方針となった.腹腔鏡下胃局所切除術を施行し,術後経過良好で,術後8日目に退院となった.病理組織学的検査結果は,4.5×3.5×3.5 cm大の粘膜...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 42; no. 8; pp. 1377 - 1383
Main Authors 森谷, 宏光, 片田, 夏也, 二渡, 信江, 渡邊, 昌彦, 桜本, 信一, 原, 敦子, 菊池, 史郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.08.2009
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.42.1377

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Summary:症例は56歳の男性で,1年前の健診で胃腫瘍を指摘され,当院を受診した.上部消化管内視鏡検査で,胃体上部小彎に胃内発育型の25 mm大の粘膜下腫瘍を指摘された.10か月後には30 mmと増大していたため,超音波内視鏡検査を施行した.第4層由来の36 mm大の粘膜下腫瘍と診断した.超音波内視鏡検査下に穿刺吸引生検を施行し,gastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断された.腹部超音波検査,CTなどで転移所見は認めず,手術方針となった.腹腔鏡下胃局所切除術を施行し,術後経過良好で,術後8日目に退院となった.病理組織学的検査結果は,4.5×3.5×3.5 cm大の粘膜下腫瘍で,組織学的には好酸性細胞質を持った腫瘍細胞が大小胞巣形成性に増生し,免疫染色検査ではS-100,synaptophysin陽性で,KIT,CD34,SMA,上皮系マーカーは陰性であり,顆粒細胞腫(granular cell tumor)と診断した.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.42.1377