年間を通じた気温の上昇がアカマツの成長におよぼす影響
本研究では,年間を通じた気温の上昇がアカマツの成長におよぼす影響を,外気温に対して-1.5 ℃,±0.0 ℃,+1.5 ℃,+3.0 ℃,+4.5 ℃を加温などする人工気象室を用いた育成実験によって検討した。その結果,加温開始2年目の春の成長開始時期には処理区間で違いがみられず,冬芽の休眠解除における低温不足から,高い温度区では開芽可能温度の低下が進まないことが明らかとなった。また,一次伸長量,針葉束数は,+4.5 ℃区で小となった。これは,高温条件下では,前年の葉原基形成の活性抑制があることで翌年の一次伸長量が大きくならないことと,土用芽の発生が促進されることで翌年の伸長部位を使用してしまう...
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Published in | 日本緑化工学会誌 Vol. 32; no. 1; pp. 127 - 130 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本緑化工学会
2006
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0916-7439 0916-7439 |
DOI | 10.7211/jjsrt.32.127 |
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Summary: | 本研究では,年間を通じた気温の上昇がアカマツの成長におよぼす影響を,外気温に対して-1.5 ℃,±0.0 ℃,+1.5 ℃,+3.0 ℃,+4.5 ℃を加温などする人工気象室を用いた育成実験によって検討した。その結果,加温開始2年目の春の成長開始時期には処理区間で違いがみられず,冬芽の休眠解除における低温不足から,高い温度区では開芽可能温度の低下が進まないことが明らかとなった。また,一次伸長量,針葉束数は,+4.5 ℃区で小となった。これは,高温条件下では,前年の葉原基形成の活性抑制があることで翌年の一次伸長量が大きくならないことと,土用芽の発生が促進されることで翌年の伸長部位を使用してしまうことの両方の影響の結果と考えられた。 |
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ISSN: | 0916-7439 0916-7439 |
DOI: | 10.7211/jjsrt.32.127 |