異なる投球速度に対する野球の打撃動作に関するキネマティクス的研究

本研究では,球速の異なるボールに対する野球の打撃動作の特徴を明らかにすることで,打撃の正確性に影響を及ぼす動作要因について検討することを目的とした.球速の異なるボール( 75km/h,100km/h,125km/h)を被験者に打撃させ, 3次元自動動作分析システムを用いて動作を計測した.打撃の正確性を評価する指標としてインパクト角を用いて,身体の並進および回転動作と打撃の正確性との関連について検討を加えた.その結果,ボール速度が大きい条件( 125km/h)においては,身体重心の並進移動距離を小さくするとともに,上胴部およびバットの回転動作範囲を小さくすることが打撃の正確性を高める動作であると...

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Published inバイオメカニズム学会誌 Vol. 32; no. 3; pp. 158 - 166
Main Authors 藤井, 範久, 阿江, 通良, 小池, 関也, 高木, 斗希夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published バイオメカニズム学会 2008
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ISSN0285-0885
DOI10.3951/sobim.32.158

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Summary:本研究では,球速の異なるボールに対する野球の打撃動作の特徴を明らかにすることで,打撃の正確性に影響を及ぼす動作要因について検討することを目的とした.球速の異なるボール( 75km/h,100km/h,125km/h)を被験者に打撃させ, 3次元自動動作分析システムを用いて動作を計測した.打撃の正確性を評価する指標としてインパクト角を用いて,身体の並進および回転動作と打撃の正確性との関連について検討を加えた.その結果,ボール速度が大きい条件( 125km/h)においては,身体重心の並進移動距離を小さくするとともに,上胴部およびバットの回転動作範囲を小さくすることが打撃の正確性を高める動作であると考えられた.さらに,体幹の捻り角度および捻り戻しの角速度の最大値にはボール速度条件による有意な差は認められなかったため,これらの動作はボール速度に関わらずスイングに必要な動作であると考えられた.
ISSN:0285-0885
DOI:10.3951/sobim.32.158