クローン病手術例における続発性アミロイドーシスの臨床的検討

クローン病に合併する続発性アミロイドーシスは稀な疾患であるとされているが,患者数の増加にともない今後遭遇する可能性も増えてくると思われる.続発性アミロイドーシスを合併したクローン病患者の背景や術中,術後の合併症について検討した. 当院にて経験したクローン病の開腹腸管切除症例94症例について,アミロイド沈着の有無の検索を行ったところ,5症例にアミロイドの沈着を認めた.沈着ある,の2群に分け,病態周術期合併症などについて比較検討したところ,2回目3回目手術時の術中出血量,合併症の膵炎,肝不全,消化管出血,また蛋白尿3回目手術時の手術時間は,アミロイドの沈着のない群に比ベアミロイド沈着群で有意差(P...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 59; no. 8; pp. 441 - 447
Main Authors 谷村, 修, 高野, 正博, 大湾, 朝尚, 山田, 一隆, 野崎, 良一, 有馬, 利裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2006
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.59.441

Cover

More Information
Summary:クローン病に合併する続発性アミロイドーシスは稀な疾患であるとされているが,患者数の増加にともない今後遭遇する可能性も増えてくると思われる.続発性アミロイドーシスを合併したクローン病患者の背景や術中,術後の合併症について検討した. 当院にて経験したクローン病の開腹腸管切除症例94症例について,アミロイド沈着の有無の検索を行ったところ,5症例にアミロイドの沈着を認めた.沈着ある,の2群に分け,病態周術期合併症などについて比較検討したところ,2回目3回目手術時の術中出血量,合併症の膵炎,肝不全,消化管出血,また蛋白尿3回目手術時の手術時間は,アミロイドの沈着のない群に比ベアミロイド沈着群で有意差(P<0.05)を認めた. 発症年齢,病型,診断時年齢など沈着のない群と比べて差は認めなかったが,罹患期間が長くなるほど,手術回数が多くなるほど重篤な合併症(肝不全,膵炎,消化管出血など)を認めている.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.59.441