腸管切除が有効であった強皮症続発性慢性偽性腸閉塞症の1例
症例は69歳の女性で,強皮症の治療中に腹部膨満が出現し,二次性慢性偽性腸閉塞症(chronic intestinal pseudo-obstruction;以下,CIPと略記)および腸管嚢腫様気腫症(pneumatosis cystoides intestinalis;以下,PCIと略記)と診断された.保存的治療により一度は改善したが,その後再増悪した.食事再開とともに発熱などの症状の増悪を繰り返す状態となったため,PCI部の空腸の切除術を施行した.術後経過は良好で,食事量は増加し栄養状態の改善も図れた.CIPに対する外科的治療には議論がある.CIPにPCIを伴い経口摂取が困難な場合,PCI部...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 45; no. 3; pp. 319 - 325 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.03.2012
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.45.319 |
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Summary: | 症例は69歳の女性で,強皮症の治療中に腹部膨満が出現し,二次性慢性偽性腸閉塞症(chronic intestinal pseudo-obstruction;以下,CIPと略記)および腸管嚢腫様気腫症(pneumatosis cystoides intestinalis;以下,PCIと略記)と診断された.保存的治療により一度は改善したが,その後再増悪した.食事再開とともに発熱などの症状の増悪を繰り返す状態となったため,PCI部の空腸の切除術を施行した.術後経過は良好で,食事量は増加し栄養状態の改善も図れた.CIPに対する外科的治療には議論がある.CIPにPCIを伴い経口摂取が困難な場合,PCI部の切除を考慮する必要があるが,病変が限局的であれば,強皮症のような全身病に合併した場合であっても切除の有効性は高いと思われた. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.45.319 |