大阪歯科大学附属病院高齢者歯科における初診患者の補綴状況
高齢者の咀嚼能力の基礎データを収集するため, 大阪歯科大学附属病院高齢者歯科における初診患者の残存歯数, 歯の修復状況ならびに咬合支持域の状況について年齢階級別に調査を行った。調査対象は, 平成9年4月から平成10年3月までに当科に来院した初診患者361名 (男性144名, 女性217名) であり, 平均年齢は男性77.7歳, 女性76.3歳である。調査は, 70-74歳, 75-79歳, 80-84歳, 85-90歳, 90歳以上の5つの階級に分類して, 残存歯数, 1歯単位の修復状況 (健全, 充填, クラウン, ブリッジ, カリエス, 有床義歯, 欠損放置), 1顎ごとの欠損状況 (無歯...
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Published in | 老年歯科医学 Vol. 15; no. 3; pp. 298 - 304 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本老年歯科医学会
31.03.2001
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Subjects | |
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ISSN | 0914-3866 1884-7323 |
DOI | 10.11259/jsg1987.15.298 |
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Summary: | 高齢者の咀嚼能力の基礎データを収集するため, 大阪歯科大学附属病院高齢者歯科における初診患者の残存歯数, 歯の修復状況ならびに咬合支持域の状況について年齢階級別に調査を行った。調査対象は, 平成9年4月から平成10年3月までに当科に来院した初診患者361名 (男性144名, 女性217名) であり, 平均年齢は男性77.7歳, 女性76.3歳である。調査は, 70-74歳, 75-79歳, 80-84歳, 85-90歳, 90歳以上の5つの階級に分類して, 残存歯数, 1歯単位の修復状況 (健全, 充填, クラウン, ブリッジ, カリエス, 有床義歯, 欠損放置), 1顎ごとの欠損状況 (無歯顎, Kennedy分類I-IV) ならびにEichner分類による残存歯咬合支持域の検索を行った結果, 以下の結論を得た。 84歳以下の高齢者の口腔内は, 残存歯の多くが充填・クラウン・ブリッジで, 欠損部は有床義歯で修復していたが, 部分的に残存歯咬合支持域があり, 食品摂取が行いやすい状況にあると思われた。 一方, 85歳以上の高齢者では, 残存歯数が減少し, 残存歯咬合支持域を含む多くの欠損補綴を有床義歯に依存するため, 食品摂取に支障が生じやすい状況にあると思われた。 |
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ISSN: | 0914-3866 1884-7323 |
DOI: | 10.11259/jsg1987.15.298 |