後縦隔に発生した骨髄脂肪腫の2例

症例1は80歳,男性.検診で胸部異常陰影を指摘され,当科紹介となった.胸部CTにて第9,10右傍椎体領域に37×27 mm大の境界明瞭,表面平滑な腫瘤を認めた.胸腔鏡下に腫瘍摘出術を施行した.組織学的には成熟脂肪組織と造血組織を認めた.造血組織内には3系統の造血細胞を認め,骨髄脂肪腫と診断した.症例2は68歳,女性.検診異常の精査目的のために当科紹介となった.胸部CTにて第11右傍椎体領域に27×18 mm大の境界明瞭で表面平滑な腫瘤を認めた.胸腔鏡下腫瘍摘出術を施行.組織学的に,成熟脂肪組織と骨髄細胞が混在した.3系統の造血細胞が骨髄細胞にみられ,骨髄脂肪腫と診断した.後縦隔に発生した骨髄脂...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 38; no. 5; pp. 483 - 489
Main Authors 大塚, 礼央, 油原, 信二, 河野, 暁, 堀内, 翔, 河野, 匡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本呼吸器外科学会 15.07.2024
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.38.483

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Summary:症例1は80歳,男性.検診で胸部異常陰影を指摘され,当科紹介となった.胸部CTにて第9,10右傍椎体領域に37×27 mm大の境界明瞭,表面平滑な腫瘤を認めた.胸腔鏡下に腫瘍摘出術を施行した.組織学的には成熟脂肪組織と造血組織を認めた.造血組織内には3系統の造血細胞を認め,骨髄脂肪腫と診断した.症例2は68歳,女性.検診異常の精査目的のために当科紹介となった.胸部CTにて第11右傍椎体領域に27×18 mm大の境界明瞭で表面平滑な腫瘤を認めた.胸腔鏡下腫瘍摘出術を施行.組織学的に,成熟脂肪組織と骨髄細胞が混在した.3系統の造血細胞が骨髄細胞にみられ,骨髄脂肪腫と診断した.後縦隔に発生した骨髄脂肪腫は比較的稀であり,自験例を含めて2010年以降に本邦で外科的切除された15例を集計し考察を加えて報告する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.38.483