低カリウム食調製におけるごぼうの浸漬条件の検討
腎不全治療食である低K食調製方法の実践のために, 今回は調理操作の1つである浸漬操作を取り上げ, 試料としてごぼうを用い, 望ましい浸漬方法を調べるために, 溶液温度及び食酢濃度の2つの点から検討した。 その結果は以下のとおりである。 1) ミネラル溶出率: カリウムとカルシウムは, 溶液温度が高く, 食酢濃度も濃いほうが高い溶出率を示した。リンは, 食酢濃度の濃いほうが溶出率は高かった。 2) あくの除去効率: あくが効率よく除去できる条件としては, 溶液温度は30℃, 食酢濃度は0%食酢水が最も望ましい結果を示した。 3) 官能検査: きんぴらごぼうの官能検査では, 溶液温度30℃・食酢濃...
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Published in | 栄養学雑誌 Vol. 49; no. 5; pp. 273 - 279 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
1991
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Subjects | |
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ISSN | 0021-5147 1883-7921 |
DOI | 10.5264/eiyogakuzashi.49.273 |
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Summary: | 腎不全治療食である低K食調製方法の実践のために, 今回は調理操作の1つである浸漬操作を取り上げ, 試料としてごぼうを用い, 望ましい浸漬方法を調べるために, 溶液温度及び食酢濃度の2つの点から検討した。 その結果は以下のとおりである。 1) ミネラル溶出率: カリウムとカルシウムは, 溶液温度が高く, 食酢濃度も濃いほうが高い溶出率を示した。リンは, 食酢濃度の濃いほうが溶出率は高かった。 2) あくの除去効率: あくが効率よく除去できる条件としては, 溶液温度は30℃, 食酢濃度は0%食酢水が最も望ましい結果を示した。 3) 官能検査: きんぴらごぼうの官能検査では, 溶液温度30℃・食酢濃度5%条件のものは, 好ましくなかった。 これらの結果から, 低K食調製におけるごぼうの浸漬操作条件としては, カリウム溶出率が高く, あくが適度に除かれ嗜好的に好ましい状態を得るために, 溶液温度は30℃程度, 食酢濃度は1%程度が適当であることがわかった。 |
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ISSN: | 0021-5147 1883-7921 |
DOI: | 10.5264/eiyogakuzashi.49.273 |