直繰チーズ巻生糸とその織物性能

目的前回は, 製糸工程の省力化と良質な生糸を生産する直繰チーズ巻とその成果について報告したが, 今回の研究目的は, かかる直繰チーズ巻に関してその巻取条件が糸質および織物性能に与える影響について明らかにし, あわせて綛糸法によって繰製された糸との性能比較を探究することにある.結果直繰チーズ巻の煮繭条件と繰糸条件の異なるものを組み合わせた7区について試験した結果, 60℃ で急速乾燥してソフトにチーズ巻きした糸を用いた織物 (No.5) は, 他の組合わせの試験区に比し, 織物性能の練減率は低く, 曲げ剛さ, 厚さ, 練上縮率, 手嵩ともに高い値を示し, ドレープでは低い値を示して織物として優れ...

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Published in繊維機械学会誌 Vol. 45; no. 12; pp. T270 - T278
Main Authors 小此木, エツ子, 松岡, 芳朗
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本繊維機械学会 1992
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ISSN0371-0580
1880-1994
DOI10.4188/transjtmsj.45.12_T270

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Summary:目的前回は, 製糸工程の省力化と良質な生糸を生産する直繰チーズ巻とその成果について報告したが, 今回の研究目的は, かかる直繰チーズ巻に関してその巻取条件が糸質および織物性能に与える影響について明らかにし, あわせて綛糸法によって繰製された糸との性能比較を探究することにある.結果直繰チーズ巻の煮繭条件と繰糸条件の異なるものを組み合わせた7区について試験した結果, 60℃ で急速乾燥してソフトにチーズ巻きした糸を用いた織物 (No.5) は, 他の組合わせの試験区に比し, 織物性能の練減率は低く, 曲げ剛さ, 厚さ, 練上縮率, 手嵩ともに高い値を示し, ドレープでは低い値を示して織物として優れていることがわかった.かせ糸との比較では, 直繰チーズ巻糸で織った織物がいずれも良い結果を示した.
ISSN:0371-0580
1880-1994
DOI:10.4188/transjtmsj.45.12_T270