抗PD-1抗体pembrolizumabによる肝障害をきたし，肝生検によって病理像を確認しえた1例

• Published in: 肝臓 Vol. 59; no. 10; pp. 571 - 577
• Main Authors: 須江, 真彦, 上野, 真行, 髙畠, 弘行, 萱原, 隆久, 守本, 洋一, 山本, 博, 水野, 元夫
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本肝臓学会 20.10.2018
• Subjects: ペムブロリズマブ; 免疫チェックポイント阻害薬; 免疫関連有害事象; 病理; 肝障害

症例は76歳男性．胸部X線で右上肺野に腫瘤影を指摘され，精査により非小細胞肺癌（cT4N3M1a，stage IVA）と診断された．抗PD-1抗体であるpembrolizumabを投与したところ，第8病日から肝障害が出現し，その後も増悪傾向を示した．肝生検では，中心静脈周囲の壊死・炎症像が目立ち，リンパ球やマクロファージの集簇がみられた．全体として急性発症型の自己免疫性肝炎に類似した病理像であったが，免疫染色では浸潤している炎症細胞の大部分がCD8陽性であり，細胞障害性T細胞が病態に深く関わっていることが示唆された．Pembrolizumabによる免疫関連有害事象として肝障害をきたしうることが...