歯科大学在宅歯科往診チームによる保存処置の現況
本学では, 1987年9月に在宅歯科往診ケアチームを組織し, 活動を開始した。今回我々はこれまでに行った在宅歯科診療における保存処置の割合やその内容について分析した。1988年1月より1993年12月までの間に在宅下でのみ行われた処置内容の年平均では, 補綴処置が54.1%で大半を占め, ついでその他17.3%, 外科処置12.8%, 保存処置10.7%, 歯周処置5.1%であった。また同治療期間において入院下で行われた処置も含めた各々の割合の年平均では, 補綴処置が38.7%, 外科処置32.1%, 保存処置16.0%, その他8.9%, 歯周処置4.3%であり, 在宅下のみの結果と比較し,...
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Published in | 老年歯科医学 Vol. 10; no. 1; pp. 49 - 55 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本老年歯科医学会
31.07.1995
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Subjects | |
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ISSN | 0914-3866 1884-7323 |
DOI | 10.11259/jsg1987.10.49 |
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Summary: | 本学では, 1987年9月に在宅歯科往診ケアチームを組織し, 活動を開始した。今回我々はこれまでに行った在宅歯科診療における保存処置の割合やその内容について分析した。1988年1月より1993年12月までの間に在宅下でのみ行われた処置内容の年平均では, 補綴処置が54.1%で大半を占め, ついでその他17.3%, 外科処置12.8%, 保存処置10.7%, 歯周処置5.1%であった。また同治療期間において入院下で行われた処置も含めた各々の割合の年平均では, 補綴処置が38.7%, 外科処置32.1%, 保存処置16.0%, その他8.9%, 歯周処置4.3%であり, 在宅下のみの結果と比較し, 外科処置と保存処置の割合が高くなっていた。入院下を含め同期間に行われた処置について年齢別にみると70才以上の患者では補綴処置が約半分を占め, ついで外科処置の割合が高く, 保存処置の割合は低い結果を示した。しかし70才未満の患者では補綴処置の割合が低く, 外科処置と保存処置の割合が高かった。初診時において保存処置を必要とする患歯を有しさらに残存歯を10本以上有する39症例を選択し保存処置率を調べた。初診時に要保存処置と診断された患歯の総数は194本で, 一人当たり5.0本であった。1993年12月までに保存処置された歯の総数は87本で1症例当たり2.2本, 処置率は44.9%であった。そのうち入院下で処置された歯の総数は42本, 48.3%, 在宅下で処置された歯の総数は45本, 51.7%で両者はほぼ同じ割合を示した。 |
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ISSN: | 0914-3866 1884-7323 |
DOI: | 10.11259/jsg1987.10.49 |