里子及び里親の状況と里親からみた里子のwell-beingの関連

本研究は,効果的な里親支援体制の構築に資することをねらいに,里子及び里親の状況と里子のwell-beingの関連性を明らかにすることを目的とした.質問紙調査は,全国の里親家庭4,038世帯を対象に実施した.調査内容は,里子及び里親の状況(里子の性別,年齢,障がいの有無,被虐待経験,就学状況,人数,世帯収入,里親の養育の自己評価,1項目版社会福祉関連QOL),里親からみた里子のwell-beingで構成した.統計解析では,里子が1人の家庭でかつ欠損値を有さない702世帯のデータを使用した.簡易版子どものwell-being測定尺度を開発し,「里子及び里親の状況」と「里子のwell-being」に...

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Published in子ども家庭福祉学 Vol. 20; pp. 1 - 13
Main Authors 高橋, 順一, 野口, 啓示, 姜, 民護, 石田, 賀奈子, 伊藤, 嘉余子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本子ども家庭福祉学会 25.11.2020
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Summary:本研究は,効果的な里親支援体制の構築に資することをねらいに,里子及び里親の状況と里子のwell-beingの関連性を明らかにすることを目的とした.質問紙調査は,全国の里親家庭4,038世帯を対象に実施した.調査内容は,里子及び里親の状況(里子の性別,年齢,障がいの有無,被虐待経験,就学状況,人数,世帯収入,里親の養育の自己評価,1項目版社会福祉関連QOL),里親からみた里子のwell-beingで構成した.統計解析では,里子が1人の家庭でかつ欠損値を有さない702世帯のデータを使用した.簡易版子どものwell-being測定尺度を開発し,「里子及び里親の状況」と「里子のwell-being」に関するMIMICモデルのデータへの適合性と変数間の関連性を構造方程式モデリングで検討した.その結果,モデルのデータに対する適合度はCFI=0.984, RMSEA=0.048であり,里子のwell-beingに関連する変数が明らかとなった.考察では,里親支援ならびに子ども家庭福祉関連政策のアウトカムの1つである里子のwell-beingを高めるための方策を議論した.
ISSN:1347-183X
2758-2280
DOI:10.57489/jscfw.20.0_1