グローバル時代における社会学教育の標準化

本稿の目的は, 「参照基準」をめぐる, いくつかの論点を示すことである. その際に, グローバル化の流れのなかでの地方国立大学における社会学教育の標準化にむけた教材作成の事例を手がかりとした. まず, 「参照基準」に対応した社会学テキストが標準化していく可能性について指摘した. つぎに, 「質保証の国際通用性」が求められつつあるなかで, 社会学教育の教授内容に日本の社会学の伝統や遺産を位置づけることの重要性について指摘した. 最後に, 社会学教育の内容の検討のみならず, 学修方法についても検討する必要性について論じた....

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Published in社会学評論 Vol. 69; no. 2; pp. 229 - 237
Main Author 眞鍋, 知子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本社会学会 2018
Subjects
参照基準
社会学テキスト
社会学教育
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ISSN0021-5414
1884-2755
DOI10.4057/jsr.69.229

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Abstract 本稿の目的は, 「参照基準」をめぐる, いくつかの論点を示すことである. その際に, グローバル化の流れのなかでの地方国立大学における社会学教育の標準化にむけた教材作成の事例を手がかりとした. まず, 「参照基準」に対応した社会学テキストが標準化していく可能性について指摘した. つぎに, 「質保証の国際通用性」が求められつつあるなかで, 社会学教育の教授内容に日本の社会学の伝統や遺産を位置づけることの重要性について指摘した. 最後に, 社会学教育の内容の検討のみならず, 学修方法についても検討する必要性について論じた.
AbstractList 本稿の目的は, 「参照基準」をめぐる, いくつかの論点を示すことである. その際に, グローバル化の流れのなかでの地方国立大学における社会学教育の標準化にむけた教材作成の事例を手がかりとした. まず, 「参照基準」に対応した社会学テキストが標準化していく可能性について指摘した. つぎに, 「質保証の国際通用性」が求められつつあるなかで, 社会学教育の教授内容に日本の社会学の伝統や遺産を位置づけることの重要性について指摘した. 最後に, 社会学教育の内容の検討のみならず, 学修方法についても検討する必要性について論じた.
Author 眞鍋, 知子
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References 日本学術振興会, 2017, 「スーパーグローバル大学創成支援事業」日本学術振興会ホームページ (2017年12月31日取得, https://www.jsps.go.jp/j-sgu).
鳥越皓之, 2016, 「論理の背骨と現代社会の位置づけ」日本社会学会社会学教育委員会『社会学教育ってなんだ――「社会学分野の参照基準」から考える』, 23-9.
2009, 松尾精文ほか訳『社会学 (第5版)』而立書房.
苅谷剛彦, 2005, 「社会学教科書の比較社会学――大学における教授学習過程と知識の社会的構成」『社会学評論』56(3): 626-40.
角一典, 2016, 「参照基準をいかに捉え, 活用すべきか?」北海道社会学会『現代社会学研究』29: 23-32.
笹谷春美, 2016, 「『社会学分野の参照基準』策定経過とその意義」日本社会学会社会学教育委員会『社会学教育ってなんだ――「社会学分野の参照基準」から考える』, 5-10.
友枝敏雄, 2016, 「『社会学分野の参照基準』の今後の課題」『社会学教育ってなんだ――「社会学分野の参照基準」から考える』, 53-61.
金沢大学国際基幹教育院, 2017, 「GS科目について」金沢大学ホームページ (2017年12月31日取得, https://ilas.w3.kanazawa-u.ac.jp/students/subject/gs).
Giddens, Anthony, 2006, Sociology, 5th ed., Cambrige : Polity Press.
金沢大学, 2017, 「KU-GLOCS」金沢大学ホームページ (2017年12月31日取得, https://sgu.adm.kanazawa-u.ac.jp).
篠原清夫・栗田真樹編, 2016, 『大学生のための社会学入門――日本学術会議参照基準対応』晃洋書房.
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