医療機関所属の理学療法士を対象とした通いの場の認知度および意識調査

【はじめに、目的】通いの場は、住民主体の地域づくりや介護予防の拠点となる場であり、本市においても通いの場の立ち上げ•継続支援をこれまで展開してきた。本市では、通いの場運営を地域包括支援センターと協力して行っている特性上、その参加者は健常高齢者だけでなく、要支援認定者や医療機関から退院後に新規で参加される方も少なくない。しかし、通いの場の参加に関する入口調査を行ったところ、医療機関からの紹介等により通いの場に参加される事例は稀であった。医療-介護-地域のシームレスな連携が求められている昨今において、本件を課題と認識した。そこで今回、市内医療機関の理学療法士に対し、通いの場の認知度調査を行うことと...

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Published in日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集 p. 54
Main Author 遠藤, 紘一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本予防理学療法学会 31.03.2025
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ISSN2758-7983
DOI10.57304/jsptpsuppl.3.Suppl.No.1.0_54

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Summary:【はじめに、目的】通いの場は、住民主体の地域づくりや介護予防の拠点となる場であり、本市においても通いの場の立ち上げ•継続支援をこれまで展開してきた。本市では、通いの場運営を地域包括支援センターと協力して行っている特性上、その参加者は健常高齢者だけでなく、要支援認定者や医療機関から退院後に新規で参加される方も少なくない。しかし、通いの場の参加に関する入口調査を行ったところ、医療機関からの紹介等により通いの場に参加される事例は稀であった。医療-介護-地域のシームレスな連携が求められている昨今において、本件を課題と認識した。そこで今回、市内医療機関の理学療法士に対し、通いの場の認知度調査を行うこととした。【方法】対象は、市内の急性期• 回復期のいずれかの病棟を有する医療 機関に所属する理学療法士に対し、無記名・任意・オンラインにてアンケート調査を行った。調査項目は、通いの場の認知度、介護予防効果の認識、活用状況等とした。また、介護予防事業参加経験の有無により郡分けを行い、それぞれに差があるか比較を行なった。【結果】回答は、8医療機関、64名から得られた。結果として、通いの場の認知度は48%、介護予防効果の認識は32%、活用状況は10%であった。また、介護予防事業への参加経験のある群は、参加経験のない郡に比して、認知度や介護予防効果の認識は優位に高かったが、実際の活用状況に差は認めなかった。自由記載では、『どこにどんな地域資源があるかわからない』、『紹介の仕方がわからない』、『介護認定があるような方は参加できないと思っている』、『介護保険サービスや自主トレで十分と捉えている』、『細かく知らないので紹介しにくい』等の回答が得られた。【考察・結論】通いの場は、フレイル発症抑制・介護給付費抑制などに対する効果が報告がされており、介護予防において極めて重要な役割を担っている。しかし、今回の調査では、医療機関に所属する理学療法士において、通いの場の認知度の低さ、一部の誤認、現場活用における困難さが伺えた。本市では、これまで居宅介護支援事業所や地域団体、市民等を対象に、通いの場の普及啓発を行ってきたが、今後は医療機関に対しても、通いの場の普及啓発に努める必要性があると考えられた。【倫理的配慮】対象者には、アンケート調査時に書面にて発表の旨を説明し、同意を得た。
Bibliography:O - 54
ISSN:2758-7983
DOI:10.57304/jsptpsuppl.3.Suppl.No.1.0_54