25年にわたる有床診療所における呼吸リハビリテーションの普及にむけた取り組み
平成9年(1997年)5月に開院した長崎呼吸器リハビリクリニックは19床の有床診療所で入院,外来,通所リハビリ,訪問にて呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)を提供している.当時は呼吸リハの概念さえ一般に普及していなかった時代で,薬物療法や酸素療法だけでは慢性呼吸器疾患患者の廃用性筋萎縮,activities of daily livingやquality of lifeの低下は改善できず,呼吸リハを市中でいわば気軽に受けられる医療機関は存在しなかった.開院当初からの問題として呼吸リハについて,医療関係者や患者・家族の認識不足や無関心,保険診療報酬点数の低さなどに直面した.ただユニークな施設であっ...
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Published in | 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 Vol. 33; no. 1-3; pp. 6 - 11 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
22.11.2024
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Subjects | |
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ISSN | 1881-7319 2189-4760 |
DOI | 10.15032/jsrcr.33.6 |
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Summary: | 平成9年(1997年)5月に開院した長崎呼吸器リハビリクリニックは19床の有床診療所で入院,外来,通所リハビリ,訪問にて呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)を提供している.当時は呼吸リハの概念さえ一般に普及していなかった時代で,薬物療法や酸素療法だけでは慢性呼吸器疾患患者の廃用性筋萎縮,activities of daily livingやquality of lifeの低下は改善できず,呼吸リハを市中でいわば気軽に受けられる医療機関は存在しなかった.開院当初からの問題として呼吸リハについて,医療関係者や患者・家族の認識不足や無関心,保険診療報酬点数の低さなどに直面した.ただユニークな施設であったためマスコミに取り上げられ,呼吸リハを標榜した当院への関心が高まり,県内外から患者が集まったことで,種々の疾患に対して呼吸リハを実践しその効果を実感できた.診療報酬点数も関係学会の努力により徐々に改定され呼吸リハの環境は整いつつある.しかし全国的には呼吸リハを実施できる医療機関の数や認知度など十分でないため,患者にとってアクセスが悪く,今後改善すべき課題である. |
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ISSN: | 1881-7319 2189-4760 |
DOI: | 10.15032/jsrcr.33.6 |