ニューロモデュレーションの現状と展望

ニューロモデュレーション (neuromodulation) とは, ディバイスを用いて電気・磁気刺激や薬物の投与を行い神経活動を調節する治療を指す. 刺激や薬物投与量が調節可能であること, また治療をすみやかに中止することができる, すなわち可逆的であることが, 切除や破壊を中心としてきた従来の機能神経外科との違いとして強調される. 現在, その適用範囲は神経疾患のみならず, 内臓疾患や全身の炎症性疾患にまで広がっている. この分野の発展の背景には医工学分野の進歩があり, 光や超音波など新たな刺激や有効な刺激のためのディバイスが開発されている. 今後, それらの刺激に対する生体反応の統合的な...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 26; no. 12; pp. 864 - 872
Main Authors 松村, 明, 鮎澤, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2017
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.26.864

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Summary:ニューロモデュレーション (neuromodulation) とは, ディバイスを用いて電気・磁気刺激や薬物の投与を行い神経活動を調節する治療を指す. 刺激や薬物投与量が調節可能であること, また治療をすみやかに中止することができる, すなわち可逆的であることが, 切除や破壊を中心としてきた従来の機能神経外科との違いとして強調される. 現在, その適用範囲は神経疾患のみならず, 内臓疾患や全身の炎症性疾患にまで広がっている. この分野の発展の背景には医工学分野の進歩があり, 光や超音波など新たな刺激や有効な刺激のためのディバイスが開発されている. 今後, それらの刺激に対する生体反応の統合的な理解が必要とされる. また倫理面の整備が必要である.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.26.864